滋賀のホームページ制作ブログ

「タッチポイントにはAIを使わない」ホームページ制作の方針

最終更新:2026年09月09日

「タッチポイントにはAIを使わない」ホームページ制作の方針

こんにちは。湖と月デザインです。

「AIって使ってるんですか?」というご質問、最近よくいただきます。答えは「はい」です。時短にもなりますし、下調べにも助かるし、正直かなり頼りにしているツールです。

ただ、ホームページ制作における私たちの方針として、ひとつだけ譲らずに決めていることがあります。それが、お客さまとの接点、いわゆる「タッチポイント」にはAIを使わない、ということです。それ以外の場所では、AIをかなり積極的に使っています。今日はその線引きを、できるだけ具体的にお話ししたいと思います。

私たちの考え方をシンプルにまとめると、この4つになります。

  • タッチポイントにはAIを使わない
  • タッチポイント以外で時短になるところは積極的に使う
  • リスクを負ってまでは使わない
  • 「わからない」を放置しない

「AIを使うか使わないか」の二択ではありません。どこで、何のために使うのか。私たちが大事にしているのは、そこです。

私たちが考える「AIを使う場所・使わない場所」

大きく分けると、こんな整理になります。AIを使わないのは、お客さまとのタッチポイント。AIを積極的に使うのは、タッチポイントの裏側にある、時短や効率化につながる部分。そしてAIを使わない判断をするのは、リスクが大きいところ、自分たちが仕組みを理解しきれていないところです。

ここから、それぞれもう少し詳しくお話ししていきます。

そもそも「タッチポイント」って何?

そもそも「タッチポイント」って何?

タッチポイントとは、企業やブランドと、お客さま(あるいはこれからお客さまになるかもしれない人)が接する、あらゆる接点のことです。マーケティングの世界でよく使われる言葉ですが、意味そのものはシンプルで、「その人がブランドに触れる瞬間」全部を指します。

広告をふと目にした瞬間。ホームページを開いた瞬間。SNSの投稿を見た瞬間。実店舗に足を運んだ瞬間。電話でのやり取り。届いた荷物を開けた瞬間。私たちは日々のなかで、意識しないうちに、たくさんのタッチポイントを経験しています。

そしてタッチポイントは、単なる「接点の数」ではありません。そのひとつひとつが、お客さまの中で「このブランド、いいな」あるいは「なんだか違うかも」という印象を積み重ねていく場所です。デザインが整っているかどうかより先に、その体験がどう感じられたかのほうが、案外記憶に残ります。

購入前・購入時・購入後、それぞれのタッチポイント

タッチポイントは、時間軸で見ると大きく3つに分けられます。

まだ何も購入していない段階では、SNSやWeb広告でふと目にする、検索結果からホームページにたどり着く、知人の口コミを目にするといった接点があります。この段階の役割は「知ってもらう」「興味を持ってもらう」こと。ここでの第一印象があまり良くないと、その先の検討にまで進んでもらいにくくなります。

実際に問い合わせをしたり、契約をしたりする瞬間には、フォームやメールでのやり取り、見積書や契約書の文面、打ち合わせでの対応が関わってきます。お客さまの緊張や不安が大きいタイミングでもあるので、事務的な処理というより、「ちゃんと人が対応してくれている」という安心感を大切にしたい場面です。

取引が終わったあとも、タッチポイントは続いています。納品後のフォロー、アフターサポート、納品物を使い続ける中での体験。「頼んでよかった」と思ってもらえるかどうかは、納品の瞬間だけでなく、その後の関わり方にもかかっています。

オンラインとオフライン、どちらにもタッチポイントがある

タッチポイントは、Webサイトの中だけの話ではありません。オンラインならホームページ、SNS、メールマガジン、口コミサイト。オフラインなら名刺、パンフレット、店舗の内装や外観、接客、電話対応、郵送物。

私たちのようなクリエイティブの仕事でいうと、デザイン、写真、文章、イラスト、Webサイト、印刷物、ロゴといった「作るもの」だけでなく、接客や店舗の雰囲気、スタッフの佇まい、お客さまへの対応といった「関わり方」も、すべてタッチポイントに含まれます。こうして並べてみると、タッチポイントって実はけっこう広いんです。

なぜタッチポイントがそんなに大事なのか

タッチポイントを大切にしたい理由は、単に「印象が良くなるから」だけではありません。

ひとつひとつのタッチポイントが良い体験であれば、それが積み重なって「このブランドは信頼できる」という評価につながります。逆にたったひとつでも雑な対応があると、それまでの信頼が一気に崩れることもあります。良い体験は、誰かに話したくなるものです。タッチポイントの質は、そのまま次のお客さまへの紹介率にもつながっていきます。

どのタッチポイントで接しても「らしさ」が保たれていれば、ブランドの輪郭がはっきりしてきます。バラバラな印象は、記憶にも残りにくいものです。商品やサービスの機能面で差がつきにくい時代だからこそ、タッチポイントでの体験の質が、選ばれる理由になっていくのだと思います。

だからこそ私たちは、タッチポイントを「なんとなく整える」のではなく、意図を持って設計したいと思っています。そしてその設計と実行は、AIに任せきりにはしたくない。それが正直なところです。

人が触れるもの、心を動かすものは、人がつくりたい

「タッチポイントにはAIを使わない」というのは、「AIでデザインを作りません」という単純な話ではありません。大事なのは、なぜ使わないのかというところです。

お客さまが手に取るもの、見るもの、読むもの、感じるもの、心を動かすもの。だからこそ、そこには人が考え、人がつくり、人が対応する。それが私たちの価値観です。これは「AIはダメ」という否定ではありません。AIに任せたい仕事と、人が責任を持ってやりたい仕事は、そもそも性質が違うものだと思っているだけです。

ブランドの「らしさ」は、過去の実績や好みの傾向をデータとして学習すれば再現できるものではないと考えています。お客さまと話す中で出てきた言葉のニュアンス、迷いながら決めた色ひとつ、あえて崩したバランス。そうした細部の判断の積み重ねが「らしさ」になります。効率よく正解を出すこととは、少し違う種類の仕事です。

スピードが正義とされがちですが、タッチポイントに関しては、時間をかけて考えることそのものに価値があると感じています。すぐに出てきた案より、いくつも没にした末にたどり着いた案のほうが、結果的にお客さまの心に残ることが多いからです。

本当に売っているのは、ホームページそのものじゃない

私たちは「ホームページ屋さん」と名乗っています。でも、実際にお渡ししているのはホームページそのものではないと思っています。

私たちが大切にしているのは、対面でお話を聞き、そこから生まれる生の声をもとに、お客さま一人ひとりの問題を解決すること。つまり、湖と月デザインが売っているのは「コミュニケーション」と「問題解決」です。ホームページは、その結果として形になったもののひとつでしかありません。

AIがどんどん進化していく今だからこそ、「人にしか聞けないこと」に価値があると思っています。生の声に勝る情報はありません。だからこそ、AIを恐れるのではなく、人の声を起点にしながら、AIとも上手に共存していく。それが私たちのスタンスです。

じゃあAIは使わないの? → いえいえ、むしろ使います

ここまで読むと「湖と月デザインはAIを使わない会社なんだ」と思われるかもしれません。実はそんなことはなくて、AIはけっこう使っています。

タッチポイント以外なら、積極的に使っていきます。調べものや情報整理の下準備、アイデア出しの壁打ち相手、文章のたたき台づくり(そのまま出すことはありません)、単純作業や繰り返し作業の効率化、コードを書く際の補助やデバッグの手助け、社内資料や議事録の整理、競合調査や市場のリサーチ、スケジュールやタスクの整理。こういった場面では、遠慮なく頼っています。

ここでのスタンスは、「人がやるべき仕事をAIに置き換える」ことではなく、「人が考える時間を増やすためにAIを使う」ことです。AIで浮いた時間は、そのまま余らせません。お客さまとの打ち合わせをもう一段深くする、提案の選択肢を増やす、細部を見直す。効率化の目的は、人にしかできない部分に、もっと時間をかけられるようにするためです。

リスクを負ってまではAIを使いません

リスクを負ってまではAIを使いません

AIが便利だからといって、「AIでできるなら、とりあえずやってみよう」にはしません。特に、次のようなことには慎重になっています。

AIが生成したデザインやイラストが、既存の作品と似すぎていないか。文章が、どこかで見たような表現をそのままなぞっていないか。権利関係のトラブルは、あとから気づいても取り返しがつかないことが多いので、生成した時点でしっかり確認します。

クライアントの情報や、まだ公開前のプロジェクトの内容を、外部のAIサービスに気軽に入力することもしません。便利なツールでも、入力した情報がどう扱われるかよくわからないものは、使わないようにしています。

AIが出してくるものは、一見もっともらしく見えても、細部が間違っていることがあります。特に専門性が求められる部分ほど、そのまま鵜呑みにせず、人の目でチェックする工程を挟みます。私たちの失敗は、私たちだけの問題では済みません。クライアントのブランドや信頼にも影響します。だからこそ、リスクの大きさは「自分たちがどう思われるか」ではなく、「クライアントにどんな影響があるか」で判断します。

私たちの中でかなり明確なルールがあって、AIで生成したものを見て「まぁ、これでいいか」と思ったなら、それは世に出さないと決めています。自分たちの身は守る。クライアントにいい加減なことはしない。この2つだけは、譲れません。

「めんどくさいから」は、AIを使う理由にならない

AIの判断で、いちばん危険だと思っているのは「めんどくさいから、AIでいいか」という発想です。楽をしたい気持ちはわかります。でも、これが判断基準になってしまうと、線引きはあっという間に崩れます。

私たちが基準にしたいのは、「楽かどうか」ではなく「合理的かどうか」です。なぜここはAIに任せているのか、なぜここは人がやるのか。自分たちの言葉で説明できる状態にしておく。それができないなら、その判断はまだ甘いということだと思っています。

反対に、合理的な理由があるのにAIを避けてしまうのも、実はもったいないことです。「なんとなく不安だから」で使わずにいるのは、単なる食わず嫌いかもしれません。だからこそ私たちは、使う理由も使わない理由も、どちらもきちんと言葉にできるようにしておきたいと思っています。

「わからない」は、そのままにしない

これは「リスクを負わない」とセットの考え方です。

AIに「これ作って」とお願いすれば、もっともらしいものが返ってきます。でも、それがどう動いているのか、なぜそうなるのか、安全なのか。そこがわからないまま使うのは、正直こわいと思っています。

たとえばホームページ制作で、AIにメールフォームのシステムを作ってもらったとします。そのとき私たちが必ず確認するのは、どんな仕組みで動いているか、入力された情報はどこへ送られるか、個人情報はどう扱われるか、セキュリティ上の問題はないか、想定外の入力をされたらどうなるか、といったことです。

これはメールフォームに限った話ではありません。決済まわりの仕組み、会員登録の仕組み、外部サービスとの連携。「裏側の仕組み」をAIに手伝ってもらうときほど、動いた結果だけを見て判断しないようにしています。わからないことがあれば、AIに聞き直す、資料を調べる、詳しい人に確認する。手間はかかりますが、「なんとなく動いているから良し」で済ませないことが、結果的にお客さまを守ることにつながると考えています。

「動いたからOK」ではありません。AIが生成したコードや仕組みに問題があれば、人間側が気づいて、修正します。AIに作ってもらうことと、AIに任せきることは、まったく違う話です。

AIを使うのは「楽をするため」だけじゃない

湖と月デザインにとってAIは、人の仕事をなくすためのものではなく、人が本当に向き合いたい仕事に時間を使うためのツールです。使えるところでは使う。でも、使わないところでは使わない。わからないものは、そのまま使わない。私たちの判断基準は、いたってシンプルです。

これからのAIとの付き合い方

AIの技術は、これからも変わり続けていきます。今日「使わない」と決めていることが、いつまでもそのままとは限りません。技術が信頼できるものになれば、線引きの位置も見直していくつもりです。

ただ、変わらないでいたいことがひとつあります。「便利だから」という理由だけで判断しないこと。お客さまにとって、その選択が本当に良いことなのかを、そのつど自分たちで考え続ける姿勢です。

AIだけで作られたサイトと、何が違うのか

最近は、AIに指示するだけでホームページが数分で完成する、というサービスも増えてきました。安さや速さを求めるなら、それも十分ひとつの選択肢だと思います。

私たちがそういったサービスと違うのは、スピードや金額の勝負をしていないところです。AIが自動生成したテンプレートは、どのサイトも似たような構成、似たような言葉選びになりがちです。それ自体が悪いわけではありません。ただ、そこにはそのブランドだけの「らしさ」が乗りにくい、という違いがあります。

湖と月デザインが作るのは、テンプレートに情報を流し込んだサイトではなく、そのブランドの言葉や雰囲気を、一つひとつ確かめながら形にしたサイトです。だからこそ、打ち合わせに時間をかけますし、文章もデザインも、AIに丸ごと任せることはしません。速さや安さを最優先したい方には、正直あまり向いていないかもしれません。でも、「このお店らしさ」「この会社らしさ」を大事にしたい方には、私たちのやり方の方が合っていると思っています。

よくあるご質問

Q. AIをまったく使わずに制作しているんですか?
いいえ、そうではありません。調べものや作業の効率化ではAIを活用しています。ただし、デザインや文章など、お客さまの目に触れる部分(タッチポイント)は人が担当します。

Q. AIを使わない分、制作費用は高くなりますか?
AIを使わないことを理由に料金を上乗せすることはありません。私たちにとってこれは「特別な対応」ではなく、普段通りの制作の進め方だからです。

Q. AIで自動生成したサイトと比べて、納品までの時間はかかりますか?
AIによる自動生成サービスと比べると、打ち合わせや制作にかかる時間は長めです。その分、ヒアリングを重ねながら、そのブランドらしい言葉やデザインを一緒に見つけていきます。

Q. コーディングやシステム部分もAIを使わないんですか?
そこは積極的に活用しています。ただし「動いたからOK」にはせず、仕組みを理解した上で、人の目で最終チェックをしてから納品しています。

Q. 今後、AIを使う範囲が広がることはありますか?
あり得ると思っています。今の線引きは、今の技術や状況を踏まえた判断です。AIの技術や信頼性が変われば、私たちの判断も見直していきます。

AI時代だからこそ、人がつくることを大切にしたい

最後に、もう一度4つの方針をまとめます。

  • タッチポイントにはAIを使わない
  • タッチポイント以外で時短になるところは積極的に使う
  • リスクを負って使わない
  • わからないは放置しない

AIがどんどん身近になっていくからこそ、何をAIに任せて、何を人がやるのか。そこを考えることが、これからますます大切になっていく気がしています。

湖と月デザインは、便利さだけを追いかけるのではなく、人が人に届けるものの価値を大切にしながら、これからもAIと上手につきあっていきます。

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