こんにちは、湖と月デザインです。
今回は、代理店さま経由でチームの一員として参画させていただいた、某寺院様の「観光紹介サイト」の制作事例をご紹介します。
本プロジェクトでは、デザインからコーディング、そして公開後の保守性を考えた静的サイトとしての実装までを一貫して担当させていただきました。
このプロジェクトの大きな特徴は、現地で配布される「観光パンフレット」と連動したWebサイトであるという点です。
代理店さまやクライアントさま側で細かな設計まで詰めきれない場合でも、体験設計から実装まで一貫して補完できる点も意識しています。
パンフレットの情報を補完し、体験を拡張する
観光パンフレットは、実際にその場所を訪れた方や、観光案内所で手に取った方の手元に確実に残る、非常に信頼性の高いメディアです。
しかし、誌面のサイズには限りがあり、動画や音声といった「時間の流れ」を伴う情報を伝えるには制約があります。
本サイトの設計においては、パンフレットとの親和性を保ちつつ、Webならではの映像などをどう活用するかに注力しました。
「パンフレットで場所を知って、サイトでその場所を好きになる。そんな、いいバトンタッチがしたかったんです。」
パンフレットが「きっかけ」なら、Webはその先にある深い納得感を提供する場所。
その役割分担を明確にすることで、紙からデジタルへ、そして現地への再訪へと繋がるスムーズな流れを意識しました。
映像を主役に据えるための視覚的な整理
デザインを構成する上で、私が最も注力したのは「情報の引き算」です。
寺院さまが長年大切に蓄積されてきたYouTube映像には、写真やテキストだけでは伝えきれない圧倒的な「動」のエネルギーがあります。
あえて装飾的なグラフィックや複雑なアニメーションを排除し、シンプルなアニメーションと広めの余白を配置する。この余白は単なる空きスペースではなく、映像から伝わる現地の静謐な佇まいを際立たせるための「背景」であり、閲覧者の視線を自然と主役である風景へと導くための「道」でもあります。
「なぜここにこの空間が必要なのか」という問いに対して、すべて現地の空気感から逆算して理由を持たせる。
それが、湖と月デザインが大切にしているデザインのあり方です。
旅先での利用を想定した、静的サイトとしての構築
実装面においては、システムを介さない静的サイトとしての構築を選択しています。
これには、実際の利用シーンから導き出した明確な理由があります。
観光客の方は、パンフレットを片手にスマートフォンで情報を確認されることが多いものです。
移動中や電波状況が不安定な場所であっても、ストレスを感じることなく、必要な情報にスッと辿り着けること。
「旅先でページがパッと開く。ただそれだけのことが、いちばんのおもてなしだったりしますから。」
静的サイトならではの高速なレスポンスと軽やかさは、単なる技術的な選択ではなく、旅先での利便性を追求した結果の配慮でもあります。
まとめ:媒体を繋ぎ、魅力を正しく翻訳する
今回の制作を通じて再認識したのは、それぞれのメディアが持つ役割を深く理解し、それらを技術で繋ぐことの重要性です。
パンフレットという手に取る体験から、Webという動的な体験へ。そして、実際にお寺へ足を運んでいただくというリアルな行動へ。その一連の流れの中に、デザインと実装という形で、論理的な裏付けを持った「理由」を添えること。
その場所が本来持っている魅力を、Webという器の中に正しく移し替える。そんな「意味のあるものづくり」が、また新しい参拝者の方との出会いを生む一助になれば幸いです。
- パンフレットや紙媒体と連動したWebサイトを制作したい
- 観光や地域の魅力を、Webでどう表現すればいいか悩んでいる
そんな場合は、設計から実装まで一貫してお力になれるかもしれません。小さなご相談からでも、お気軽にお声がけください。


