こんにちは。湖と月デザインです。
最近、Web制作の現場で「microCMS(ヘッドレスCMS)」という言葉を聞く機会が、ここ1〜2年で一気に増えた印象です。
私たちも、実際にいくつかのお客様のサイトをmicroCMSで構築し、運用のお手伝いをしています。
前回の記事では一般的な使い分けやmicroCMSとWordPressの違いについてお話ししましたが、今回は少し視点を変えてみます。
「実際に手を動かしてサイトを裏側から組み上げているエンジニア(制作者)の目線」から見た、microCMSのリアルな感想を、メリット・デメリット含めて包み隠さずお話ししたいと思います。
結論から言うと「開発者として作っていて最高に楽しいシステム。でも、お客様に選んでいただくには『条件』がいるシステム」です。
現場からのリアルなレポートをお届けします。
本題に入る前に、少しだけ。 もし今、「そもそもmicroCMSって何?」「他のツールと何が違うの?」という全体像をまず知りたい、という方は、こちらのmicroCMSとは?の記事を先に読んでみてください。
これからお話しする具体的な内容が、もっとスッと、自分ごととして入ってくるはずです。
メリット:作っていて感動する「圧倒的な身軽さ」
まずは、エンジニアとして「ここは本当に素晴らしい!」と感じた良い点です。
1. とにかく速い!高速で走るサイトを作る楽しさ
これが一番の感動です。余計なシステムが一切干渉しないため、パッと一瞬で画面が表示されます。
まるで天気の良い日に、誰もいない湖岸道路を自転車や車で一気に駆け抜けるような、あの爽快感のあるサイトを作れるのは、エンジニアとして普通にテンションが上がります。
自分がコードを書いた分だけ、コードを書いた分だけ、そのままダイレクトにサイトの快適な体験(スピード)に反映される感覚があって、無駄な制約に縛られないのがとにかく気持ちいいです。この「速さ」は、サイトを訪れるお客様にとって最大のおもてなしになります。
2. 「プラグインの更新エラー」という恐怖からの解放
WordPressを運用していると、追加機能(プラグイン)のアップデートによって突然サイトが真っ白になったり、レイアウトが崩れたりするリスクが常にあります。
しかしmicroCMSは構造上そうしたプラグインを使わないため、「アップデートの恐怖」がありません。
※Node.jsという基礎環境のバージョンだけ気にしておけばよく、保守が本当に楽で安全です。
3. お客様が迷わない、シンプルな管理画面
管理画面(記事を書く裏側の画面)が非常にシンプルで洗練されています。複雑なメニューがないため、「ここを押して文字を入れてください」とお客様へ操作方法をご提案しやすく、Webが苦手な方でも直感的に使いやすいのは大きなメリットだと感じました。
デメリット:正直に伝えたい「不便なところ」と「コストの壁」
一方で、実際に構築・運用してみて「ここは事前にお客様にしっかり伝えておかなければ」と感じた痛い弱点や壁もありました。
1. 記事を公開してから「反映」までに時間がかかる
WordPressのように「公開ボタンを押したら1秒で反映!」とはいきません。
microCMSは構造上、記事を更新するたびにサイトの裏側で「ページを作り直す作業(ビルド)」が走ります。
そのため、ボタンを押してから実際のサイトに反映されるまでに「約3〜7分程度」のタイムラグが発生します。
頻繁に微修正を繰り返す方には、少しもどかしく感じるはずです。
2. 手作りだからこその「見えない開発の手間」と「構築費用の壁」
ここが一番のネックかもしれません。 WordPressのように「便利なプラグインを入れてハイ完成!」というわけにはいかず、機能一つひとつを職人の手作業(コーディング)で組み上げていく必要があります。(私たちも、表示速度を極限まで高めるためにjQueryなし縛りなどで開発を行いますが、正直かなり大変です笑)。
正直、公開した後に軽い気持ちで「ちょっとこの機能を追加したいな」と思っても、WordPressのようにプラグインで数分で解決、とはいきません。その都度、しっかりとした設計と実装(プログラミング)が必要になるため、小さな変更でもそれなりにコストと時間がかかります。
そのため、構築にかかる時間と費用は、WordPressで作る場合の「1.5倍程度」になることも珍しくありません。また、無料プラン内で作れるAPI(投稿の種類)にも厳しい制限があるため、大規模なサイトにする場合は有料のシステム利用料が毎月かかってきます。
現場からの結論:絶対に「おすすめしない」ケースと「最高の相性」になるケース
ここまで踏まえた上で、はっきりとお伝えします。 以下のようなご要望の場合は、microCMSはあまりおすすめしていません。
- 「自分たちで毎日のように頻繁に更新したい」
- 「なるべく初期コストを抑えてパッと作りたい」
こういった場合は、無理にmicroCMSを選ぶ必要はありません。
前回の記事でもお伝えした通り、素直にWordPressなどのツールを選んだ方が確実に幸せになれます。
逆に、microCMSの強みを最大限に活かせるのは、以下のような条件が揃ったサイトです。
- 表示速度と「デザインの美しさ」を最優先したいサイト
- 士業や企業など、「強固なセキュリティ」が絶対条件のサイト
- お知らせや実績など、更新する「コンテンツの種類」がシンプルで少ないサイト
microCMSは、安く、早く、なんでもできる魔法のツールではありません。時間も費用もかかりますし、手軽さには欠けます。
しかし、「絶対に崩れない頑丈な基礎」と「圧倒的なスピード」を手に入れたいお客様にとっては、これ以上ない最高の選択肢になります。
自社にはどちらが合う?迷った時はご相談ください
「うちの会社の場合はどうだろう?」 「予算内でどこまでできるか知りたい」
そんな風に少しでも気になった方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
湖と月デザインでは、今回お話ししたような「良い面も悪い面」もすべてテーブルに乗せた上で、今のあなたのビジネスに一番しっくりくる形を、一緒に考え、ご提案させていただきます。
(現場からは以上です!)




