こんにちは、湖と月デザインです。
店を開業される方や、これからWebでちゃんと発信していこうと考えているオーナーさんから、「ホームページってやっぱり必要ですか? 縦に長いLP(ランディングページ)だけでも十分なんでしょうか?」というご相談をよくいただきます。
結論から言うと、「絶対にこちらが正解」という万能な答えはありません。では、何を基準に選べばいいのでしょうか。予算や更新の手間ももちろん大切ですが、その前にもっと根っこにある判断基準があります。
それは、「あなたのお店には、どんなお客さまが来て、何を求めているのか」ということです。
今回は、飲食店がLP(ランディングページ)とホームページのどちらを選ぶべきか、数字やシステムの話の前に、お客さまのリアルな行動から整理していく考え方をお話しします。
予算の前に「お客さまの顔」を思い浮かべる

たとえば、同じ「飲食店」でも、お客さまが求めている時間や体験はまったく違います。
- A店:仕事の合間に、サッとおいしい唐揚げ定食でお腹を満たしたい。
- B店:週末の結婚記念日に、夫婦でゆっくりと落ち着いた時間を過ごしたい。
A店のお客さまが求めているのは「場所、メニュー、今すぐ入れるか」というスピーディな情報です。一方、B店のお客さまは「お店の雰囲気は? 個室はある? 店主はどんな想いで料理を作っているんだろう?」と、大切な時間を預けられるお店かどうか、じっくり調べてから予約を入れます。
「サッと背中を押してあげる」のが得意なのが1枚で作るLPです。「じっくりと世界観を伝えて安心してもらう」のが得意なのがホームページです。
まずは、あなたのお店に足を運んでくれるのが、どんな年齢層で、何を求めている人たちなのかを思い浮かべてみてください。
お客さまは、どのSNSにいる?(年齢・男女別の特徴)

お店に来てほしいお客さまの顔が浮かんだら、次はその人たちが「普段どこにいるか(どのSNSを使っているか)」を考えてみます。SNSからLPやホームページへ案内する流れをつくるためです。
それぞれのSNSには、はっきりとした「利用層」と「探し方の空気感」の違いがあります。
SNSの種類 | 主な年齢層 | 男女比の傾向 | 飲食店探しにおける特徴と空気感 |
20代〜40代 | 女性がやや多め | 「美味しそう」「おしゃれ」を視覚で探す。今の飲食店探しの中心地。 | |
10代〜20代 | 男女ほぼ半々 | ショート動画の勢いで「今すぐここに行きたい!」という衝動をつくる。 | |
20代〜40代 | 男性がやや多め | 「今日ランチどこ行こう」のリアルタイム検索や、店主の飾らない日常が伝わる。 | |
40代〜60代 | 男性がやや多め | 地域コミュニティでの口コミや、少し落ち着いた「大人のお店」探しに強い。 |
たとえば、「20代の女性に、SNS映えするスイーツを食べに来てほしい」なら、InstagramからLPへ繋いでサッと予約してもらう流れが機能しやすくなります。
逆に、「40代以上のご夫婦に、こだわりの近江野菜を楽しんでほしい」なら、FacebookやGoogle検索からホームページへ訪れてもらい、お店の物語をゆっくり読んでいただく方がしっくりくるはずです。
タイプ別比較:LPで十分な店、ホームページが向いている店
お客さまの層と、使っているSNS。
そこから見えてくる「お店に似合うWebの形」を、表にまとめました。
比較項目 | LP(ランディングページ)で十分な店 | ホームページが向いている店 |
お客さまの層 | トレンドに敏感な10〜30代が中心 | じっくりお店を選びたい30代〜シニア層 |
求めている体験 | 「話題の看板メニュー」をサッと楽しむ | 「空間・想い・時間」を含めて味わう |
集客の入り口 | InstagramやTikTok、Web広告の勢い | 「地域名+個室ランチ」等の丁寧な検索 |
Webの役割 | 迷わせず、最短で「予約・来店」へ導く | お店の物語を伝え、深く「共感」してもらう |
費用感はどれくらい違う?
お客さまの顔を思い浮かべ、SNSとの相性を考えた上で、最後に現実的な話もしておきます。予算です。
湖と月デザインでは、1ページで想いを込めるLP相当の「ミニサイトプラン」が440,000円〜、トップページ+9ページ程度のしっかりしたホームページを作る「スタンダードプラン」が880,000円〜となっています。
単純に「安いからLP」と決めるのではなく、その差額分で何が手に入るのか(複数ページ分の情報、検索での見つかりやすさ、じっくり読んでもらう時間)を天秤にかけて選んでいただくのがおすすめです。飲食店のホームページ制作を検討する際は、初期費用だけでなく「その先どれくらいの期間、集客の資産として使えるか」という視点も持っておくと判断しやすくなります。更新機能(WordPress等)は必要?
ここからは、少し実務的な話です。
「自分たちでお知らせを更新できるようにしたい」というご要望も多いですが、現場の状況によっては「あえて入れない」という選択も、ひとつの正解です。
項目 | 更新機能を入れたほうがいい場合 | 無理に入れなくてもいい場合 |
|---|---|---|
運営状況 | 季節限定メニューなどの変更が頻繁にある | 現場が忙しく、Web更新まで手が回らない |
更新の目的 | 常に最新情報を届け、安心感を与えたい | メニューが固定で、日々の発信はSNSで十分 |
立派な更新システムを導入しても、結局忙しくて誰も触らなくなってしまうケースは少なくありません。それくらいなら、最初からシステムは入れず、日々の発信は使い慣れたSNSに任せる。そんな「引き算」の設計も、運用を無理なく続けるための大切な判断です。
もし更新機能を入れる場合でも、重たいWordPressである必要は必ずしもありません。お知らせやメニュー表を書き換えるくらいなら、より軽量で操作がシンプルな「microCMS」という選択肢もあります。現場のスタッフさんが迷わず使えるという点で、湖と月デザインでもよくご提案しています。
検索での「見つかりやすさ」も、実は変わります
もうひとつ、SNSからの流入とは別に見ておきたいのが「Google検索からの見つかりやすさ」、いわゆるSEOの観点です。
LPは基本的に1ページで完結する構造のため、検索エンジンから見ると「入り口」が一つしかありません。一方、複数ページで構成されたホームページは、メニューページ、こだわりページ、アクセスページなど、それぞれが「〇〇(地域名)ランチ」「〇〇 個室」といった、お客さまのさまざまな検索キーワードの入り口になってくれます。
SNSでバズって一気に来てもらう瞬発力はLPの得意技ですが、「検索から、じわじわ長く見つけてもらう」という持久力では、ページ数のあるホームページに軍配が上がります。開業から時間が経つほど、この差は集客の安定性として効いてきます。
飲食店にホームページは必要?湖と月デザインの考え方
お店の情報を探すとき、最近はGoogleマップ(Googleビジネスプロフィール)を見るお客さまが増えています。
Googleビジネスプロフィールの活用(MEO対策)についてはこちらの記事でもお話ししていますが、、まずはマップからたどり着ける「公式な案内所」として、自店のホームページやLPを整えておくのが基本になります。
そのうえで、私たちが考えるシンプルな結論はこうです。
- SNSから来て、ひとつの行動(予約)をしてほしいなら「LP」
- 検索から来て、お店の空気を丸ごと知ってほしいなら「ホームページ」
湖と月デザインでは、一過性のバズや無理な売り込みよりも、質の高い情報を置いて検索から見つけてもらう集客を大切にしています。だからこそ、お店の余白や店主の想いまでを丁寧に伝えられるホームページをご提案することが多いんです。
大切なのは「どうやって来てもらいたいか」です
飲食店にとって一番大切なのは、「ホームページを作るべきか、LPを作るべきか」というWebの仕組みの話ではありません。もっと根っこにある、「どんなお客さまに、どんな気持ちでドアを開けてもらいたいか」ということです。その想いさえはっきりすれば、必要な「Webの形」は自然と見えてきます。
「うちのお店にはどちらの形が合っているんだろう」と迷われた際は、一度状況を整理するところからでもお気軽にご相談ください。現状のお客さま層や集客経路を踏まえたうえで、無理のない形をご提案します。
よくある質問
LPだけでも集客できますか?
可能です。特にSNS経由の予約やテイクアウト注文など、目的がひとつに絞られている場合は、LPだけで十分に機能するケースが多くあります。ただし「地域名+ランチ」のような検索経由の集客は弱くなりやすいため、SNS運用に自信がある場合に向いている選択です。
今あるSNSアカウントだけで、ホームページはいらない?
SNSのフォロワーが安定していて、新規のお客さまもSNS経由で来店される場合は、無理にホームページを持つ必要はありません。一方で、SNSを見ない年齢層のお客さまや、Google検索・Googleマップ経由の来店を増やしたい場合は、ホームページ(またはLP)が「公式な案内所」としての役割を果たします。
途中でLPからホームページに規模を大きくすることはできますか?
できます。開業時はミニサイトプラン(LP相当)でスタートし、メニューが増えたり、こだわりを伝えるページが必要になったタイミングでスタンダードプランへ拡張する、という進め方も可能です。最初から完璧な形を目指す必要はなく、お店の状況に合わせて段階的に育てていくという考え方でも問題ありません。
LPとホームページ、どちらもSEO対策はできますか?
どちらでも一定のSEO対策は可能ですが、ページ数の少ないLPは検索キーワードの入り口が限られる分、上位表示できるキーワードの幅も狭くなりがちです。「地域名+業態」のような複数のキーワードで見つけてもらいたい場合は、ページ数のあるホームページの方が有利になります。
「うちのお店にはどちらの形が合っているんだろう」と迷われた際は、一度状況を整理するところからでもお気軽にご相談ください。現状のお客さま層や集客経路を踏まえたうえで、無理のない形をご提案します。