こんにちは。湖と月デザインです。
【デザイン編】いいホームページ制作とはでは、「綺麗なだけじゃ、いいホームページとは呼べないんですよ」という、ちょっとドキッとするお話をしました。デザインというのは、目的を達成するための「設計」なんだ、と。
じゃあ、そのデザインが決まって、いざWeb上に組み立てていく「実装(コーディングやシステム構築)」の段階に入ったとき。ほんとうに「いいホームページ」って、どこで評価されるんでしょうか。
わたしたち制作の現場から見ていると、答えはけっこうシンプルで。「2つの使いやすさ」で決まると思っているんです。 それは、表側からやってくる「ユーザーにとって使いやすいこと」と、裏側で汗をかく「Web担当者にとって使いやすいこと」です。
ユーザーにとって使いやすいとは?(外側の設計)

まずは、ホームページに遊びに来てくれる「ユーザー(お客様)」側の視点から。
ユーザーにとっての使いやすさって、一言で言えば「考えさせないこと」なんだと思います。「あれ、どう使うんだろう?」って立ち止まらせてしまった瞬間、ひとは無意識にストレスを感じて、すっと離れていってしまいますから。
具体的には、こういうことの積み重ねなんです。
どこを見ればいいか「迷わない」
初めて訪れた人が、一瞬で「あ、自分の知りたいことはここにあるな」って直感的にわかる設計。視線の動きを計算して、次に押してほしいボタンが、まるで最初からそこにあったかのように自然と目に入る。そんなふうにナビゲーションを整えてあげることが大切です。ユーザーに「どこをクリックすればいいんだろう?」と一秒でも探させてしまうことは、実はとても不親切なことなんですね。
探している「目的にすぐ届く」
情報をきちんと整理して、ユーザーが最短距離でゴール(目的のページ)にたどり着けるようにしてあげること。過剰な演出で待たせたり、ぐるぐるページを歩き回らせたりするのは、ちょっと独りよがりかもしれません。知りたい情報へ、まるでお気に入りの本を手に取るようにスッと手が届くこと。その「スムーズさ」こそが、ホームページにおける最高のおもてなしです。
操作中の「ストレスがない」
ページがパッと表示される速さや、スマホで見たときのボタンの押しやすさ。目には見えないけれど、触れていて「なんだか心地いいな」と思えること。ページが開くのに何秒も待たされたり、指が届かない場所にボタンがあったり。そんな小さな「ちくちくした痛み」を徹底的に取り除いて、ストレスフリーな体験を届けることが不可欠です。
Web担当にとって使いやすいとは?(内側の設計)

そしてもうひとつ、ホームページを育てていく「Web担当者(あなた)」側の視点。
どんなに表側がかっこよくても、裏側が複雑すぎて自分たちで何もさわれないんじゃ、ちょっと寂しいですよね。そこで大事になるのが、専門知識がなくても更新できるCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)の存在です。
いい実装というのは、こういうふうに作られています。
直感的に触れる「更新しやすい構造」
管理画面を開いたとき、「ここに文字を入れて、ここに写真を置けばいいんだな」って、ひと目でわかること。プロのエンジニアじゃなくても、ふだんSNSをさわるような感覚で、その日の温度感をそのまま発信できる。そんな「手馴染みの良さ」が、ホームページを「生きた状態」にしておくために、どうしても必要なんです。
レイアウトが「壊れない設計」
文字をちょっと足したり、縦長の写真をパッと入れたりした途端に、ページ全体のバランスがガシャーンと崩れてしまう。これじゃ怖くて更新できないですよね。どんなデータを入れても、システムが自動で「いい感じ」に整えて、デザインの美しさを守ってくれる。そんな「おおらかな、でも頑丈な土台」を作っておくことが大切です。
属人化させない「シンプルな運用ルール」
「あの人が辞めちゃったら、もう誰も更新できないんです」というのは、とても危ない状態です。特定の誰かに頼り切るのではなく、誰でもマニュアルなしでスッと引き継げるくらい、うんとシンプルな設計にしておく。ホームページって、作って終わりじゃなくて、そこから毎日「暮らしていく」場所ですから、誰でも扉を開けられるようにしておきたいんです。
CMS・ツールの選定:どれが「あなたのサービス」に馴染むか
いま、ホームページを作るツールはひとつではありません。大きく分けて「WordPress」「microCMS」、そして「ノーコード(STUDIOなど)」の3つがあります。どれが優れているかというより、「自分たちのサービスを、どう育てていきたいか」で選ぶのがいいと思うんです。
比較項目 | ノーコード(STUDIO等) | ||
仕組み | サーバー一体型 | ヘッドレス(表示分離)型 | クラウド完結型 |
得意なこと | 豊富な機能、メディア運用 | 圧倒的な速さ、自由なデザイン | 直感的な編集、管理の楽さ |
セキュリティ | 適切な対策と更新が必須 | 非常に強固 | 運営会社におまかせ |
保守管理 | サーバー・保守が必要 | サーバー管理は不要 | サーバー・保守不要 |
向いている人 | 毎日頻繁に発信したい | 独自のブランド体験を極めたい | 運用をなるべく楽にしたい |
自分でどんどん育てたいなら「WordPress」
日々スタッフの声を届けたり、現場の施工事例をどんどん追加していったり。自分たちの手でホームページを「育てるメディア」として、お店のように毎日手をかけてあげたい商売には、やっぱりWordPressが向いています。プラグインなどで後から機能を追加しやすい柔軟さも、長く愛されている理由です。
質と安全性を極めるなら「microCMS」
「ページが開くまでの時間で、お客さまを1秒たりとも待たせたくない」。あるいは、セキュリティを何より大切にしたいクリニックや、ブランドの空気を1ミリも崩したくないクリエイティブな業種の方々。そういった「速さ」や「安全性」、そして「揺るぎない世界観」を一番に考えたい場合は、microCMSがぴったりと馴染みます。
「楽」に、でも綺麗に続けたいなら「ノーコード」
「サーバーの管理とか、難しいことはよくわからない。でもデザインにはこだわりたい」。そんな方には、STUDIOなどのノーコードツールが心強い味方になります。デザイン画の上で文字を打ち替えるような直感的な操作ができるので、Web担当者の心理的なハードルが一番低いのがこれ。小規模なチームや、運用にリソースを割けない商売にはとても優しい選択肢です。
よくある失敗「バランスを欠いた実装」
この「表側のひと」と「裏側のひと」、どちらかだけを贔屓しすぎると、ちょっと息苦しいホームページになってしまいます。
見た目ばかりを気にした「表側への偏り」
ホームページを訪れる人を楽しませようと、かっこいいアニメーションや派手な演出ばかりを追い求めてしまう。その気持ちはよく分かるのですが、その結果、裏側が複雑に絡み合ってしまうことがあります。いざ公開してみたら、「お知らせの一文字すら、自分たちでは直せない」なんていう悲しい状態に。見た目の美しさと引き換えに、ホームページの息の根を止めてしまっては本末転倒です。
管理のしやすさだけを気にした「裏側への偏り」
逆に、「とにかく自分たちが更新するのをラクにしたい」という気持ちが強すぎると、どうなるか。すべてをガチガチの型にはめ込んでしまって、まるで無機質な書類のようなホームページになってしまうんです。情報としては間違いなく整理されているんだけれど、その企業が本来持っていたはずの「人間らしい温度感」や「魅力」が、すっかり消えてしまう。これでは、誰の心も動かせない場所になってしまいます。
重要視点「制作会社が変わっても成立するコードか」
最後に、少しだけ真面目な話を。
わたしたちが実装において一番誠実でありたいと思っているのは「裏側の品質」です。
それは、「よそのエンジニアさんが見ても、ちゃんと引き継げるように作られているか」ということ。
「書いた本人にしか分からない暗号(属人化)」を残してしまうのは、プロとしてズルいと思うんです。お客さまの大切な資産なんですから。わたしたちは、誰が見ても「ああ、こういう意図で書いたんだな」とわかる、綺麗で整理されたコードを書くことを徹底しています。
数年先、もし別の誰かがそのホームページを触ることになっても、ちゃんとあなたのビジネスと一緒に生き続けられるように。
いいホームページとは「作って終わりにならない構造」
いいホームページって、ただ綺麗なだけのものじゃないんです。
表側で出会うひとも、裏側で育てるひとも、誰も迷子にならない場所。
そして何より、「作って終わりではなく、更新され続けても壊れない構造」であること。それこそが、いいホームページの絶対条件だとわたしたちは考えています。
もし、いまのホームページの運用に「なんだかちょっと疲れるな」と感じているなら、それはデザインのせいではなくて、見えない「裏側の設計」に原因があるかもしれません。