こんにちは。湖と月デザインです。
Google検索のSEOについて調べていると、「AI検索対策」「AEO」「GEO」「LLMO」など、ここ数年でいろいろな言葉を見かけるようになりました。特に2025年から2026年にかけては、Google検索そのものに生成AIが組み込まれ、検索結果を見るだけではなく、AIに質問して答えを受け取るという使い方も身近になってきています。
そうなると、「これまでのSEOはもう意味がないのでは」「AIに読まれるための特別な対策が必要なのでは」と考えてしまうかもしれません。ただ、Google Search Centralの英語ドキュメントを中心に追っていくと、少し違った景色が見えてきます。GoogleはAI検索をかなり大きく変化させていますが、同時に、これまでのSEOの基本がなくなったとは説明していません。むしろ、検索エンジンがページを理解できること、ユーザーにとって役立つこと、独自の情報を持っていること、検索エンジンがクロールできることなど、これまで大切にされてきた基本を、生成AIを含む新しい検索体験にも引き続き当てはめています。
今日は、主にGoogle Search Centralの英語ドキュメントとGoogle公式発表をもとに、2026年のGoogle検索で何が変わったのか、日本ではどこまで実装されているのか、そしてSEOで避けたいスパム行為にはどんなものがあるのかを整理してみます。2026年9月時点の情報としてまとめています。
2026年のGoogle検索で起きていること
まず、大きな流れから見てみます。2026年のGoogle検索は、単に「検索結果にAIの文章が表示されるようになった」というだけではありません。AIが、ユーザーの質問を理解し、質問を複数の検索に分解し、ウェブ上から関連する情報を探し、複数の情報を組み合わせ、回答を生成し、さらに詳しく知るためのウェブページを提示する。ここまでが、検索体験の中に入り込んできています。

Googleはこうした仕組みのひとつとして「query fan-out」という考え方を説明しています(Google Search Central)。たとえば「滋賀で家族4人で泊まれる温泉旅館を探したい。琵琶湖にも近くて、夕食がおいしいところは?」という質問があったとします。従来の検索なら、この文章に含まれるキーワードから関連するページを探すことになります。一方、AI Modeでは質問を複数のサブトピックに分解し、関連する検索を同時に行うことで、より深くウェブを探索するという仕組みが使われています。「滋賀の温泉旅館」「家族4人で泊まれる客室」「琵琶湖周辺」「夕食の内容」など、質問に含まれる複数の条件を別々に調べながら回答を組み立てていくイメージです。
こうした変化を考えると、今後のSEOは「このキーワードを何回入れるか」という話だけでは説明しにくくなってきます。
Google自身が「生成AI検索でもSEOは有効」と説明している

ここは、2026年のSEOを考えるうえでかなり重要なポイントです。Google Search Centralが公開している「Optimizing your website for generative AI features on Google Search」というドキュメント(Google Search Central)では、生成AI検索でもSEOのベストプラクティスは引き続き有効だと説明されています。AI OverviewsやAI Modeなどの生成AI機能も、Googleの検索ランキングや品質システムを土台としているためです。
つまり、「AI検索になったからSEOは終わった」という整理ではありません。むしろ、新しいAI検索が登場したことで、これまでのSEOが別の場所にも広がってきたと考えたほうが近いのかもしれません。従来の検索結果だけではなく、AIによる概要、AI Mode、Discover、ニュース、画像、動画、ショッピング、ローカル検索など、Googleの中でウェブサイトが見つかる場所が増えています。だからこそ、ウェブサイトそのものをきちんと作っておく意味は、むしろ変わってきているのだと思います。
AEO・GEOは「まったく別のSEO」なのか

最近よく見る言葉に、AEO、GEO、LLMOなどがあります。それぞれに細かな定義の違いはありますが、Google Search Essentialsを読む限り、「AI検索専用のまったく別のSEOがある」と考える必要はなさそうです。Googleは生成AI検索に対しても、基本的なSEOを推奨しています。Googleがページをクロールできること。ページの内容が明確であること。内部リンクが適切であること。ユーザーにとって役立つこと。独自性があること。信頼できる情報を提供すること。画像や動画なども適切に使うこと。構造化データと実際のページ内容が一致していること。といった基本です。
そのため、「AI検索用に特殊な文章を書こう」と考えるより、「人が読んでも分かりやすく、AIが読んでも内容を理解しやすいページにする」という考え方のほうが、長期的には扱いやすいのかもしれません。
用語辞典:AI検索対策・AEO・GEO・LLMOとは
ここで一度、よく見かける言葉を整理しておきます。どれも業界内で使われ始めた言葉で、Google自身が正式に定義しているものではありません。そのため、記事やサービスによって説明が少しずつ違うこともあります。あくまで一般的に使われている意味として捉えてください。
用語 | 意味 |
SEO(Search Engine Optimization) | 検索エンジン最適化。Googleなどの検索結果で見つけてもらいやすくするための取り組み全般 |
AI検索対策 | AI OverviewsやAI Modeなど、Googleの生成AI検索機能の中で表示・引用されやすくするための取り組み。基本的にはSEOの延長として語られる |
AEO(Answer Engine Optimization) | AIが生成する「回答」の中で、自社の情報が引用・参照されやすくなることを目指す考え方 |
GEO(Generative Engine Optimization) | ChatGPTなど生成AIエンジンが情報をどう取り扱うかを意識した最適化の総称。AEOとほぼ同じ意味で使われることも多い |
LLMO(LLM Optimization) | 大規模言語モデル(LLM)が学習・参照する情報源として選ばれやすくなることを意識した最適化 |
こうして並べると別々の専門技術のように見えますが、記事の中で見てきた通り、Googleの公式ドキュメントが推奨しているのは、結局のところ基本的なSEOの延長です。新しい言葉が増えるたびに「専用の対策」を探すより、まず基本に立ち返ったほうが、遠回りに見えて近道になることが多いように思います。
2026年にGoogleが強調している「独自の情報」

2026年の生成AI検索向けガイドで、特に気になるのが「non-commodity content」という考え方です(Google Search Central)。日本語では少し訳しにくい言葉ですが、簡単にいえば、どこにでもある一般的な情報だけではなく、そのサイトだから提供できる価値を持ったコンテンツという方向です。
たとえば「滋賀県の観光スポット10選」という記事を書くとします。もちろん役立つ情報ではあります。ただ、同じような記事は観光サイト、旅行サイト、ホテル予約サイト、個人ブログなど、たくさんあります。一方で、「実際にこの旅館から車で行ってみると、朝なら30分程度でした」「小さな子ども連れなら、この観光地は午前中に行くほうが動きやすいかもしれません」「夕食では、この地域の〇〇を使っています」といった情報になると、その宿や地域の事業者だからこそ出せる情報になってきます。ここには、AIに「滋賀県の観光情報を書いて」と指示するだけでは出てこない情報があります。これからのウェブサイトでは、この「その会社、その店、その人だから書けること」が、今まで以上に大切になるのかもしれません。
AIが文章を書ける時代だからこそ、AIでは作りにくい情報が重要になる
生成AIを使えば、ある程度まとまった文章を短時間で作れるようになりました。これはウェブ制作やSEOにとって、とても大きな変化です。一方で、文章を作れることと、独自の情報を持っていることは別です。
たとえば「滋賀県の工務店の選び方」という記事を書くこと自体は、それほど難しくありません。しかし、「実際にこの地域で家を建てる場合、冬場の日当たりをどう考えるか」「この土地では道路側からの視線をどう処理するか」「滋賀県で家を建てるお客様から、こういう相談が多い」といった話になると、実際に仕事をしている会社の経験が必要になります。だから、AIで文章を作ること自体が問題なのではなく、文章の中に何を入れられるかが、これからますます重要になるのだと思います。
llms.txtを入れればAI検索に強くなる?
AI検索について調べていると、「llms.txt」というファイルについて見かけることがあります。AIにウェブサイトを理解してもらうための新しいファイルとして紹介されることもあります。しかし、Google Search Centralでは、Google検索においてllms.txtは必要なく、検索での可視性やランキングにプラス・マイナスの影響を与えないと説明されています。もちろん、Google以外のシステムが利用する可能性まで否定するものではありません。ただ、Google検索対策として考えるなら、「AI検索対策だからllms.txtを絶対に入れないといけない」と考える必要はなさそうです。
SEOでは、新しい言葉が出てくるたびに「これをやらないと検索に負ける」と感じることがあります。でも、Googleの公式ドキュメントを一度確認してみると、意外と優先順位が低いものもあります。
FAQのリッチリザルトにも変化があった
2026年は、AI関連だけが変わったわけではありません。検索結果に表示されるFAQリッチリザルトについても、大きな変化がありました。Googleは2026年5月7日以降、FAQリッチリザルトを検索結果に表示しなくなりました。6月には関連するドキュメントも削除されています(Google Search Central)。
これは、「以前SEOで有効だった施策を、ずっと同じように続ければいいわけではない」ということを考える材料にもなります。構造化データそのものがなくなるわけではありません。ただし、「構造化データを入れれば検索結果にこう表示される」という関係は、Google側の仕様変更によって変わることがあります。SEOではテクニックを一度設定して終わりではなく、定期的にGoogleの公式情報を確認することも大切になってきます。
2026年は「AI検索でどう表示されたか」を測れるようになった

ここも、かなり大きな変化です。2026年6月、Googleはウェブサイト運営者向けに、生成AI検索での表示状況を確認するための新しいパフォーマンス情報を発表しました。その後、8月31日にSearch Consoleでの生成AI検索に関するレポートが世界中のウェブサイトへ展開されたとGoogleは発表しています(Google「New opportunities, control and insights for website owners」)。これによって、AI OverviewsやAI Modeなどの生成AI機能を含む検索で、ウェブサイトがどのように表示されているかを確認しやすくなりました。
これはSEOの考え方を少し変える可能性があります。これまでは「検索順位が何位になったか」を見ることが多かったからです。これからは「AI検索の中で自社のページがどのように扱われているか」も見ることができます。検索順位だけを追いかけるSEOから、検索体験の中で自分たちの情報がどこに登場しているかを見るSEOへ変わっていくのかもしれません。
日本ではAI Modeがすでに使える
ここからは日本について見てみます。Googleは2025年9月、日本語を含む複数言語へAI Modeを展開しました(Google「Google検索のAI Modeを日本語で提供開始」)。日本語でGoogleに質問し、通常の検索結果を見るだけではなく、AIとの対話形式で情報を探すことができます。旅行の計画のような複雑な検索にも対応する方向で展開されています。
つまり、日本ではもう「AI検索はアメリカだけの話」とは言いにくくなっています。日本語のウェブサイトを運営している会社にとっても、AI検索はすでに考えておいたほうがいいテーマになっています。
日本ではSearch Liveも展開されている

2026年3月には、Search Liveも日本を含むAI Mode対応地域へ展開されました(Google「検索Liveを日本で提供開始」)。Search Liveでは、音声やカメラを使いながら、検索と会話するような体験ができます。たとえば、目の前にあるものをカメラで見せながら質問する、といった使い方です。
これは、従来の「検索窓に文字を入力する」という行動とはかなり違います。検索の入口が、文字から音声、画像、会話へと広がっているわけです。そう考えると、ウェブサイト側も「文字だけで検索される」ことを前提にしすぎないほうがよさそうです。写真、動画、店舗情報、商品情報、場所、営業時間など、ページに存在するさまざまな情報が検索体験の材料になっていきます。
Google検索は「文字」以外も入力できるようになっている
2026年のGoogle I/Oでは、AI Modeに対してテキストだけではなく、画像、ファイル、動画、Chromeのタブなどを入力として使う機能も紹介されました(Google「Search's I/O 2026 updates: AI agents and more」)。検索窓そのものが、「キーワードを入力する場所」から「知りたいことを伝える場所」へ変わってきています。
これはホームページ制作にも関係します。たとえば飲食店なら、メニュー写真。ホテルなら客室や料理の写真。工務店なら施工写真。美容室ならスタイル写真。観光施設なら周辺の風景。こうした視覚的な情報も、今後の検索体験ではより重要な意味を持ってくるかもしれません。
日本でまだ使えない機能もある
一方で、GoogleのAI関連機能がすべて日本で同じように提供されているわけではありません。ここは、「Googleが新機能を発表した」ことと、「日本で一般利用できる」ことを分けて考えたほうがよさそうです。GoogleのSearch Labsでは、実験的な機能について国や言語による制限があります。また、AIエージェント関連の一部機能についても、特定の国・言語などに限定して提供されているものがあります。そのため、「アメリカで始まったから、日本でもすぐに始まる」とは限りません。日本向けの具体的な提供時期が発表されていない場合は、「現時点では日本での具体的な提供時期は発表されていない」と考えるほうが正確です。
「海外で発表された」=「日本で始まる日が決まった」ではない

Googleのサービスでは、段階的な展開がよくあります。まず一部の国。次に英語圏。その後、対応言語を増やす。そして日本を含む各地域へ展開する。という流れになることがあります。そのため、「アメリカで始まったから、日本でも〇月に始まる」と予測して記事を書くのは少し危険です。Googleが日本向けの具体的な提供予定日を発表していない場合は、そのこと自体を情報として扱ったほうがよさそうです。
2026年、Googleのアップデートは何があった?

Google検索では、通常の検索結果の大きな変化だけでなく、Core UpdateやSpam Updateなども実施されています。2026年には、3月のCore UpdateやSpam Update、5月のCore Update、6月と8月のSpam Updateなどがありました。さらにDiscoverに関するアップデートも実施されています(Google Search Central)。
ここで重要なのは、「アップデートがあったから順位が落ちた」と単純に考えないことです。Googleの検索システムは複数の仕組みから成り立っているため、何のアップデートなのかを確認することが大切です。Core Updateなのか。Spam Updateなのか。Discoverなのか。あるいは検索結果の表示仕様なのか。それによって、考えるべきことが変わります。
2026年のアップデートから見えてくる方向性
2026年のGoogle公式ドキュメントを追っていると、いくつかの方向性が見えてきます。
まず、AI検索が検索の一部になっていること。AI OverviewsやAI Modeは、「検索結果の横にある新機能」というより、Google検索そのものの体験に組み込まれつつあります。そのためSEOも、「10個の青いリンクのどこに入るか」だけでは説明しづらくなっています。
次に、独自性の重要性が高くなっていること。一般的な情報だけではなく、「そのサイトだから出せる情報」が重要になっています。これはAI時代だから突然生まれた考え方というより、Googleが以前から掲げてきた「ユーザー第一」「有用で信頼できるコンテンツ」という考え方の延長線上にあるようにも見えます。
そして、検索結果以外の場所も見る必要があること。AI Mode、AI Overviews、Discover、画像、動画、ローカル検索など、ウェブサイトが表示される場所が増えています。SEOの成果を見るときにも、検索順位だけでは足りなくなってきます。
最後に、地域差を無視できなくなっていること。2026年9月には、Google Search Centralに「Regional differences in Search experience」という地域ごとの検索体験の違いを扱うドキュメントも追加されました(Google Search Central)。国や地域によって利用できる検索機能が違うことをGoogle自身が整理しています。つまり、「海外のSEO情報をそのまま日本に持ってくる」というやり方では、今後ますますズレが出る可能性があります。
そして、Googleが明確にNGとしているSEO
ここまで「これからのSEOでは何が大切なのか」を見てきました。一方で、SEOについて考えるなら、「何をすればいいのか」だけでなく、「何をしないほうがいいのか」も知っておいたほうがよさそうです。
Google Search Central「Spam Policies for Google Web Search」という、検索スパムに関する公式ドキュメントがあります。ここでいうスパムは、単に迷惑な広告を指しているわけではありません。ユーザーを欺いたり、検索システムを操作したりして、コンテンツを検索結果で不自然に目立たせようとする行為などが対象になります。そして2026年には、このスパムポリシーがGoogle検索の生成AIによる回答にも適用されることが改めて明確になりました。つまり、「AI検索だから今までのSEOルールとは別」というわけではありません。AIによる回答も含めて、検索全体でユーザーを欺いたり、検索システムを操作したりする行為が問題になります。
AIで大量に記事を作ればスパムになる?
ここは、かなり誤解されやすいところです。Googleは、「生成AIを使ったらSEO違反」とは言っていません。問題になるのは、生成AIなどを使って、検索順位を上げることを主な目的にする、ユーザーにほとんど価値のないページを大量に作る、独自性のない内容を大量に公開する、他サイトの情報を寄せ集めるだけ、キーワードを入れただけのページを大量に作る、といったケースです。Googleはこうした行為を「scaled content abuse」として説明しています(Google Search Central)。
つまり、「AIを使ったこと」ではなく、「検索順位を操作するために、価値の低いコンテンツを大量に作ったこと」が問題になります。そのため、「AIで記事を書く=NG」ではありません。たとえば、自社スタッフの経験を整理するときにAIを下書きや文章整理に使うことと、AIに大量の記事を自動生成させて検索キーワードごとに公開することは、同じ「AIを使う」でも意味が違います。
他サイトの情報を集めてページを量産する
Googleのスパムポリシーでは、スクレイピングなども問題になります。他のサイトから文章を集めて、少しだけ言葉を変えて自分のサイトに掲載し、検索キーワードを追加して大量にページを作る、という方法です。文章を少し変えたからといって、それだけで独自の価値が生まれるわけではありません。単純な転載だけでなく、自動翻訳、類義語への置き換え、複数ページの自動的な結合、他サイトの情報を少し加工しただけのページなども、ユーザーに新しい価値を提供していなければ問題になる可能性があります(Google Search Central)。「文章を変えたからオリジナル」という考え方ではなく、「何の情報や経験を新しく加えたのか」を見るほうがよさそうです。
地域名だけ変えたページを大量に作る
中小企業のSEOで、特に気をつけたいのが「地域名違いのページ」です。たとえば「大津市 ホームページ制作」「草津市 ホームページ制作」「守山市 ホームページ制作」「栗東市 ホームページ制作」というページを作るとします。それぞれの地域について、本当に異なる情報があり、ユーザーにとって役立つのであれば話は別です。しかし、「大津市でホームページ制作をしています」という文章の「大津市」だけを、「草津市」「守山市」「栗東市」と入れ替えただけのページを何十、何百と作っていく。こうした「検索クエリごとの入口ページを大量に作り、最終的には同じページへ誘導する」といった手法は、Googleが「doorway abuse」として説明している考え方に近くなります(Google Search Central)。
地域ごとにページを作ること自体が悪いわけではありません。実際の施工事例がある、その地域での実績がある、地域特有の事情を説明できる、地域ごとにサービス内容が違う、実際にその地域の顧客に役立つ情報がある。こうした理由があるなら、ページを分ける意味があります。ここでも、「ページを作る理由が検索順位のためだけになっていないか」という視点が大切になります。
検索エンジンと人で違う内容を出す「クローキング」
Googleが明確に禁止しているもののひとつに、クローキングがあります。これは簡単にいうと、検索エンジンに見せる内容と、人間のユーザーに見せる内容を意図的に変えることです。たとえば、検索エンジンには旅行情報のページを見せているのに、人間がアクセスするとまったく別の商品や広告を表示する、といったケースです(Google Search Central)。
もちろん、レスポンシブ対応やJavaScriptなど、技術的な理由でPCとスマートフォンの表示が多少違うこと自体が問題なのではありません。「検索順位を操作したり、ユーザーを欺いたりする目的で、検索エンジンとユーザーに違う内容を見せる」ことが問題です。
隠しテキストやキーワードの詰め込み
昔からあるSEOスパムですが、今でも考え方として知っておいたほうがいいものがあります。たとえば「滋賀 ホームページ制作 大津 ホームページ制作 草津 ホームページ制作」のようなキーワードを、ユーザーにとって不自然なほど大量に文章へ詰め込む方法です。あるいは、背景と同じ色の文字、極端に小さな文字、ユーザーには見えないテキスト、検索エンジンだけを意識したキーワードの羅列なども注意が必要です。
「このキーワードを何回入れれば上がる」という考え方は、現在のGoogle検索ではかなり危うい考え方になっています。文章として自然であること。そのページに必要な情報があること。ユーザーが読んで意味が分かること。こちらを優先したほうがいいでしょう。
不自然なリンクを大量に作る
SEOでは「被リンクが重要」と言われることがあります。たしかに、他のサイトから紹介されることには意味があります。ただし、「検索順位を上げるためにリンクを作る」となると話が変わってきます。リンクを大量に購入する、相互リンクを過剰に行う、自動的に大量のリンクを生成する、リンク用のサイトを大量に作る、キーワードを詰め込んだアンカーテキストで不自然なリンクを大量に設置する、といった行為です。「リンクが多ければいい」という話ではありません。実際に紹介したいと思われるコンテンツを作った結果としてリンクされることと、検索順位のためだけにリンクを増やすことは、かなり違います。
強いドメインを利用する「サイトの評判の不正使用」
Googleには「Site Reputation Abuse」というポリシーもあります。これは簡単にいうと、すでに検索で評価されているサイトの強いドメインを利用するためだけに、第三者のコンテンツを掲載するような行為を問題にするものです。たとえば、本来はニュースメディアとして運営されているサイトに、そのサイトとは関係性の薄い第三者のコンテンツを大量に掲載し、検索順位を取ろうとするようなケースです。2026年8月には、このポリシーについてGoogleが更新を発表しています(Google Search Central「Update to the Site Reputation Policy」)。
ここからも、「ドメインが強ければ、何を書いても検索で有利になる」という考え方ではなく、「そのサイトで、その情報を扱う意味があるのか」という文脈が重要になっていることが分かります。
「戻る」ボタンのハイジャックも2026年に明確なNGへ
2026年には、「back button hijacking(戻るボタンのハイジャック)」もGoogleのスパムポリシーとして明確化されました(Google Search Central「『戻る』ボタンのハイジャックに関する新しいスパムポリシー」)。これは、ユーザーがブラウザの「戻る」ボタンを押したときに、「元のページへ戻る」という通常の動作を邪魔する行為です。代わりに、別のページへ飛ばす、未承諾の広告を表示する、意図しないおすすめを表示する、通常のブラウジングを妨害する、といったことが行われる場合があります。
Googleは2026年6月15日からこのポリシーを施行すると発表し、該当ページは手動による対策や自動的な降格の対象になる可能性があると説明しています。これはSEOテクニックというより、ユーザー体験の問題です。ただ、Googleがこうした部分まで検索スパムとして扱っていることは、これからのSEOを考えるうえで興味深いところです。「検索順位のためなら、ユーザー体験を多少犠牲にしてもいい」という考え方とは、かなり相性が悪くなってきています。
SEOで避けたい行為をまとめると

行為 | Googleでの考え方 |
AIで価値のない記事を大量生成 | 大量生成されたコンテンツの不正使用に該当する可能性 |
他サイトの記事をほぼそのまま転載 | スクレイピングなどの問題になる可能性 |
他サイトの記事を少しだけ言い換えて大量公開 | 独自価値がなければ問題になる可能性 |
地域名だけ変えたページを大量作成 | Doorway abuseに該当する可能性 |
検索エンジンと人に別の内容を見せる | Cloaking |
不自然なキーワードの大量挿入 | Keyword stuffingなどの問題 |
隠しテキスト | スパムに該当する可能性 |
検索順位目的の不自然なリンク | Link spamの問題 |
強いサイトに無関係な第三者コンテンツを大量掲載 | Site Reputation Abuseの問題 |
戻るボタンを妨害 | 2026年に明確化されたスパム行為 |
自動で検索結果を大量取得する | Automated queriesとして問題になる可能性 |
もちろん、これらを一度行ったら必ず順位が下がる、と単純に考えることはできません。Googleは自動システムだけでなく、必要に応じて人による確認も行い、ポリシー違反に対して手動による対策や検索結果での表示低下・削除などの措置を取る場合があります(Google Search Central)。
AIを使うことより「何のために使うか」

こうしてスパムポリシーを見ていくと、2026年のGoogle検索について面白いことが見えてきます。GoogleはAIそのものを敵視しているわけではありません。むしろGoogle自身が検索へ生成AIを組み込んでいます。では何が問題なのか。それは、ユーザーのためではなく、検索順位を操作するためだけにAIや自動化を使うことです。
たとえば、「自社スタッフが実際に経験したことを整理して記事にする。その下書きをAIに手伝ってもらう」という使い方と、「AIに1,000記事作らせて、1,000個のキーワードで検索順位を取りに行く」という使い方では、かなり違います。同じAIを使っていても、目的が違います。この違いは、これからAIを使ってホームページやブログを運営していくうえで、かなり重要になってくるのではないでしょうか。
2026年のGoogle検索で「やること」と「やらないこと」
ここまでの話を、ホームページを運営する側から整理してみます。

やっておきたいのは、Googleがクロールしやすいサイトにすること。ページの内容を分かりやすくすること。ユーザーが必要とする情報をきちんと載せること。自社だから出せる情報を増やすこと。実績や事例を見せること。写真や動画なども適切に使うこと。内部リンクを分かりやすくすること。Search Consoleで検索状況を確認すること。AI検索での表示状況も確認すること。そしてGoogleの公式ドキュメントを定期的に確認すること。
やらないほうがよさそうなのは、AIで意味の薄い記事を大量生産すること。他サイトの記事を言い換えて大量公開すること。地域名だけ変えたページを大量に作ること。キーワードを不自然に詰め込むこと。検索エンジンだけを騙そうとすること。検索順位目的で不自然なリンクを増やすこと。強いドメインに関係のないコンテンツを大量に載せること。ユーザーの操作を邪魔すること。そして「〇〇をやれば必ず順位が上がる」という情報を鵜呑みにすることです。
こうして見ると、SEOは以前より難しくなったようで、逆にかなりシンプルになった部分もあります。
SEOは「検索順位のためのホームページ」から少し離れていく
SEOについて考えるとき、「どうすれば順位が上がるか」ばかりを考えてしまうことがあります。でも、Googleのスパムポリシーまで読んでみると、むしろ逆方向の考え方が見えてきます。検索順位を上げるためだけに、ページを増やす。キーワードを増やす。リンクを増やす。文字数を増やす。AIで記事を増やす。という方向へ行きすぎると、ユーザーから少しずつ離れてしまいます。
それよりも、「このページを見た人は何を知りたいのか」「この会社だから提供できる情報は何か」「実際の経験や事例をどう伝えるか」を考える。その結果として検索からも見つけてもらえる。そんな順番のほうが、これからのGoogle検索には合っているのかもしれません。
ホームページ制作でも「情報の設計」がさらに重要になる
これは、ホームページを作る側からすると結構大きな変化だと思います。これまでは、「検索キーワードを考えてページを作る」という考え方が強くありました。これからは、「その会社について、Googleやユーザーが何を知りたいのか」まで考える必要があります。

たとえばホテルなら、どんな客室なのか、どんな料理なのか、どんなお風呂なのか、周辺で何ができるのか、どうやって予約するのかを分かりやすくする。工務店なら、どんな家を建てているのか、どんな地域で仕事をしているのか、何を大切にしているのか、実際の施工事例はどうなのかを見せる。飲食店なら、どんな料理なのか、どんな雰囲気なのか、いくらくらいなのか、どこにあるのか、予約できるのかを整理する。こうした基本は、AI検索が登場しても大きく変わりません。
すべてを1ページに詰め込む必要はない

AI検索を意識すると、「情報をたくさん入れたほうがいい」と考えてしまうかもしれません。でも、情報量が多いからといって、全部を1ページに詰め込む必要はありません。むしろ、会社について、サービスについて、施工事例、よくある質問、料金、アクセス、スタッフ、ブログなど、情報を分けたほうが分かりやすいケースもあります。
AI検索への対応を考えても、「長い1ページを作ること」が目的ではありません。必要な情報を、必要な場所に置く。その結果としてページ数が増えることもあれば、1ページで十分なこともある。そんな考え方でいいのではないでしょうか。
2026年の次にGoogle検索はどうなる?

ここから先は予測になります。Googleが次のCore Updateについて具体的な内容や日程をすべて事前に公開しているわけではないので、「次のアップデートでは〇〇が評価される」と断言することはできません。ただ、2026年の公式ドキュメントや発表から、今後も続きそうな方向を考えることはできます。
ひとつは、AI Modeと通常検索の融合です。AI Modeは今後も機能が増えていく可能性があります。検索して「情報を探す」だけではなく、「比較する」「計画する」「調べながら決める」「外部サービスを利用する」といった行動まで検索の中に入ってくる方向です。そうなると、ウェブサイトは単に「読まれるページ」であるだけでなく、AIがユーザーの質問に答えるときに参照できる情報源としての役割も持つようになります。
もうひとつは、AIエージェントによるウェブ利用です。Googleは2026年のI/Oで、Search agentsについても発表しています(Google「Search's I/O 2026 updates: AI agents and more」)。情報を継続的に調べるエージェントなど、検索を「その場で答えを得るもの」から「情報を追いかけるもの」へ広げていく方向です。この方向が進むと、「人間がサイトを読む」だけでなく、「AIがサイトの情報を理解して、ユーザーの代わりに情報を探す」という世界も考えられます。たとえば「この条件に合うホテルを探して」「この商品の在庫を調べて」「この店の営業時間を確認して」といったことをAIが行うようになれば、ウェブサイト側の情報設計も変わってくるかもしれません。
そして、コンテンツの量より「そのページに行く理由」です。AIが大量の一般情報を要約できるようになると、「とりあえず長い記事を書く」という方法は、以前ほど単純ではなくなる可能性があります。むしろ、「このページを見に行く理由は何か」が重要になります。実際の経験。独自の写真。専門家の判断。具体的な事例。地域ならではの情報。会社や店の考え方。最新の情報。こうしたものは、単純な一般論とは違います。
日本のSEOで「英語のGoogleドキュメント」を読む意味
日本語のSEO記事は、とてもたくさんあります。もちろん、それらから情報を得ることもできます。ただ、Google検索について調べるなら、一度はGoogle Search Centralの英語ドキュメントを見る価値があります。理由はシンプルで、Google自身が何を言っているかを確認できるからです。
日本語の記事では、「〇〇がSEOに効くらしい」「AI検索では〇〇が重要らしい」という情報が先に広がることがあります。そこから元になったGoogleの資料を確認すると、「Googleはそこまで言っていない」というケースもあります。逆に、英語ドキュメントを読むことで、日本語の記事ではまだあまり紹介されていない情報を早く知ることもできます。もちろん、英語の情報がそのまま日本で使えるとは限りません。だからこそ、英語のGoogle公式資料を見る、そして日本での提供状況を確認する。この2段階が重要になります。
2026年9月時点で整理すると
項目 | 2026年9月時点の状況 | 日本との関係 |
AI Overviews | 生成AIを使った検索体験として展開 | 日本語検索でも関係する |
AI Mode | 対話型の検索体験として展開 | 2025年から日本語で提供 |
Search Live | 音声・カメラを使った検索体験 | 2026年3月から日本でも提供 |
Search Consoleの生成AI関連レポート | 2026年8月31日に世界中へ展開 | 日本のサイトでも確認可能 |
Preferred Sources | Top Storiesなどで展開 | AI Mode等は対応地域・言語に依存 |
llms.txt | Google検索ではランキング・可視性に影響しない | Google SEO目的なら優先度は低い |
FAQリッチリザルト | 2026年5月7日以降表示されなくなった | 日本だけの話ではない |
AIエージェント関連機能 | 一部は実験・地域限定 | 日本での具体的な提供時期が未発表のものもある |
地域別検索機能 | 国・地域による違いをGoogleが明示 | 日本向けSEOでも確認が必要 |
この表で大切なのは、「AI機能があるかないか」だけではありません。どの機能が、どの国で、どの言語で、どの段階まで提供されているかを見ることです。
2026年のSEOについて、よくある質問
AI検索が広がると、今までのSEOはやる意味がなくなりますか?
そうとは言えません。Google自身が、AI OverviewsやAI Modeもこれまでの検索ランキングや品質システムを土台にしていると説明しています。クロールしやすさ、内容の分かりやすさ、独自性、信頼性といった基本は、AI検索が広がった後も引き続き評価の軸になっています。
llms.txtは設置したほうがいいですか?
Google検索を意識するだけであれば、優先度は高くありません。Googleは、llms.txtがGoogle検索でのランキングや可視性にプラス・マイナスの影響を与えないと説明しています。Google以外のAIサービスが利用する可能性はありますが、「入れないとGoogle検索に不利になる」というものではありません。
AIで記事を書くこと自体がSEO違反になりますか?
AIを使うこと自体は問題とされていません。問題になるのは、検索順位を操作する目的で、価値の低いページを大量に作ることです。自社の経験を整理する下書きとしてAIを使うことと、検索キーワードごとに大量の記事を自動生成することは、同じ「AIを使う」でも意味がまったく違います。
地域名違いのページは、もう作らないほうがいいですか?
地域ごとにページを分けること自体が問題なのではありません。それぞれの地域に、実際の施工事例や実績、地域特有の事情など、ユーザーにとって本当に役立つ違いがあるなら、ページを分ける意味があります。問題になるのは、地域名だけを入れ替えた、実質的に同じ内容のページを大量に作ることです。
中小企業や個人事業主も、英語のGoogle公式ドキュメントを読む必要がありますか?
必須ではありませんが、一度は目を通す価値があります。日本語のSEO情報は、元になったGoogleの資料をたどると「Googleはそこまで言っていない」というケースも見られます。すべてを読み込む必要はなくても、気になる情報が出てきたときに、一次資料に立ち返る習慣があると安心です。
2026年のSEOは「新しい裏技」より「ちゃんとしたホームページ」へ
2026年のGoogle検索は、大きく変わっています。AI OverviewsやAI Modeが広がり、日本でもAI ModeやSearch Liveが利用できるようになりました。Search Consoleでは、生成AI検索での表示状況を確認するための機能も拡充されています。
一方で、Googleが示している基本的な考え方は、そこまで奇抜なものではありません。SEOの基本を続けること。ユーザーにとって役立つ情報を提供すること。他では得られない独自の価値を持つこと。Googleがページを理解しやすい構造にすること。そして、検索環境の変化を定期的に確認すること。このあたりが、2026年のGoogle検索でも引き続き大切になっています。
そしてもうひとつ大切なのが、「検索順位を上げるためなら何をしてもいい」という考え方から離れることなのかもしれません。AIで大量の記事を作る。他サイトの文章を少し変えて量産する。地域名だけを変えてページを増やす。キーワードを不自然に詰め込む。不自然なリンクを増やす。ユーザーの操作を邪魔する。こうした方法は、短期的にはSEO施策のように見えても、Googleが明確に問題としているものがあります。AI検索が広がったからといって、突然「AIに好かれる文章」を作る必要があるわけではないのかもしれません。
むしろ、「この会社について知りたい人に、必要な情報がちゃんとあるか」を考える。その情報が、その会社やお店だからこそ出せるものになっているかを見る。そして、それを人にも検索エンジンにも分かりやすく整理する。SEOという言葉だけを見ると難しく感じますが、ホームページ制作として考えると、意外と基本的なところに戻ってくるようにも思います。
Google検索はこれからも変わっていくでしょう。AI Modeのような新しい検索体験が広がり、エージェントがウェブ上の情報を扱う場面も増えていくかもしれません。だからこそ、一度作ったSEO対策をずっと守るというより、Googleが何を発表しているのかを確認しながら、ホームページそのものを少しずつ育てていく。2026年以降は、そんな付き合い方が合っているのかもしれません。

