こんにちは湖と月デザインです。
温泉、スーパー銭湯、銭湯。どれも「お風呂に入りに行く場所」ではありますが、ホームページを作るときに必要になる情報は、意外とたくさんあります。泉質や浴槽、露天風呂、サウナ、岩盤浴。料金や営業時間、アクセス。食事や休憩スペース、アメニティ、イベント。最近では、施設によって「お風呂以外の過ごし方」もかなり違ってきました。
そのため、温浴施設のホームページでは、単に設備を並べるだけではなく、「この施設に行ったら、どんな時間を過ごせるのか」が伝わることも大切なのかもしれません。今日は、温泉・スーパー銭湯・銭湯のホームページ制作について、費用相場や必要な情報、利用者層のデータなどを交えながら考えてみます。
温泉・スーパー銭湯・銭湯を取り巻く市場

まずは、温浴施設を取り巻く数字から見てみます。綜合ユニコムの「温浴施設データファイル2026」によると、温浴施設の参加人口は、2019年に2,940万人、コロナ禍を経て2022年に1,970万人まで落ち込み、2023年には2,200万人まで回復しています(参加人口の出典は公益財団法人日本生産性本部「レジャー白書2024」)。2024年度の入館者数についても、同資料では調査対象施設の前年比3.7%増とされています。コロナ禍で大きく減少したものの、その後は回復傾向にあるようです。
また、2026年版では全国154施設を対象に、年間入館者数、男女比率、年齢層、平均滞留時間、サウナや飲食施設などの利用率まで調査されています。現在の温浴施設は「お風呂に入る」という一つの目的だけではなく、さまざまな過ごし方を含めて考えられていることが分かります。

温泉・スーパー銭湯・銭湯は、どんな人が利用している?

温浴施設の利用者を考えるとき、「年配の人が多そう」「サウナは若い男性が多そう」など、なんとなくイメージしてしまうこともあります。実際には、施設の種類によって利用する人も変わってきます。
2023年に株式会社アクトパスが行った「637名の温浴施設利用実態調査」では、10代から70代の男女637名を対象に、温泉、銭湯、スーパー銭湯・日帰り温泉、健康ランド、サウナ専門施設などの利用実態を調査しています。この調査では、施設タイプによって利用頻度にも違いがあり、銭湯、スーパー銭湯・日帰り温泉、健康ランド、サウナ専門施設では「月に数回」という利用頻度が最も多くなっています。一方で、温浴施設全体では「年に数回」という利用頻度が最も多く、日常的に利用する人だけではなく、たまに訪れる人も多いことが分かります。
スーパー銭湯は男性21%、女性16%という調査結果も

スーパー銭湯については、J-Net21が2021年に行った1,000人対象の調査があります(調査対象:国内在住20代〜60代男女1,000人)。「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた利用率は、全体18%、男性21%、女性16%でした。男女で見ると、男性の利用率が5ポイント高くなっています。また、年代・性別では、20代男性と30代男性が23%、40代男性と50代男性が22%と比較的高い結果になっています。
ただし、この調査は2021年のものです。現在の温浴施設の利用者構成をそのまま表しているとは限りません。実際、綜合ユニコムの2026年版では、全国154施設について現在の男女比率や年齢層も調査されていますが、詳細な回答データは有料のExcelデータとして提供されています。そのため、「温泉・スーパー銭湯はこの年代、この性別の人が利用する」と一括りにするよりも、施設ごとの客層を見ることが大切なのかもしれません。
女性と男性で、知りたい情報が違うことも

アクトパスの調査では、温浴施設に行かない理由について、女性からは「人前で裸になりたくない」「身支度が面倒」「感染や衛生面への不安」などの回答が比較的多く見られました。また、アメニティについても、シャンプーやクレンジング、化粧水などに関する意見が挙げられています。一方で、男性からはサウナや休憩スペース、混雑状況などについての意見も見られました。
もちろん、男女で明確に分けられるものではありません。ただ、「初めて行く人が、事前に何を知りたいのか」を考える材料にはなりそうです。シャンプー・コンディショナー、クレンジング、化粧水、ドライヤー、タオル、館内着、ロッカー、女性専用スペース、ベビーベッド、サウナの混雑状況、休憩スペース。「そんなことまで載せるの?」と思う情報でも、初めて行く人にとっては知っておきたいことかもしれません。
温泉なら「泉質」を伝えたい

温泉施設のホームページで、忘れたくないのが泉質です。「天然温泉」と書くだけではなく、泉質、泉温、湧出量、源泉かけ流しなのか、加温・加水の有無、浴用上の特徴、どんな浴槽で楽しめるのかなど、施設に合わせて紹介できる情報があります。
環境省の温泉利用施設調査では、主たる泉質として単純温泉が32.4%、塩化物泉が27.2%、硫酸塩泉が10.9%、炭酸水素塩泉が10.1%、硫黄泉が8.1%などとなっています。かなり古い調査ではありますが、温泉にはさまざまな泉質があり、「温泉」と一言でまとめられないことが分かります。ただ、泉質名を専門用語のまま掲載するだけでは、温泉に詳しくない人には少し分かりにくいかもしれません。泉質の説明に加えて、「どんなお湯なのか」を写真や分かりやすい言葉で伝えることも考えたいところです。
スーパー銭湯なら「お風呂以外」も大切

スーパー銭湯では、露天風呂やサウナだけでなく、岩盤浴、外気浴スペース、食事、カフェ、マッサージ、エステ、休憩スペース、漫画・読書スペース、キッズスペースなど、施設ごとにいろいろな過ごし方があります。

アクトパスの調査では、有料付帯施設の利用について「飲食」が最も多く、「たまに利用する」「よく利用する」を合わせて87%となっています。温浴施設に来た人が、お風呂だけでなく食事も利用していることが分かります。だからこそ、ホームページでも、お風呂の写真を1枚載せて終わりではなく、「ここでどんな一日を過ごせるのか」を見せていくことが、施設によっては大切になると思います。
サウナや休憩スペースも、施設の魅力になる

サウナを目的に温浴施設を選ぶ人も増えています。日本サウナ総研が2026年2月に実施した「日本のサウナ実態調査2026」によると、サウナ愛好家全体の人口は2017年の2,878万人から2025年には1,648万人まで減っています。一方で、月に4〜8回以上通う「ヘビーサウナー」だけを見ると、2025年は約250万人と、前年の180万人から増加しています。つまり、サウナに行く人全体は減っていても、頻繁に通うコアな層はむしろ増えているということです。同じ調査では、サウナ施設をリピートする理由として「住まい・職場からの距離」がもっとも多く、次いで「利用料金」「清潔さ」「混雑状況」が挙げられています(日本サウナ総研「日本のサウナ実態調査2026」)。
アクトパスの調査でも、休憩スペースや外気浴、ととのいスペースの充実を求める声も多く寄せられています。また、男性からは混雑緩和を求める声が多く、来館前にネットやアプリなどで混雑状況を確認したいという意見もありました。
このあたりはホームページとの相性がよい情報です。サウナ室の温度、水風呂、外気浴スペース、サウナの種類、ロウリュの有無、開催時間、混雑情報、イベント情報など。「サウナがあります」だけではなく、サウナを目的に訪れる人が知りたい情報まで考えてみると、ページの内容も変わってきます。
「どれくらい滞在するのか」も考えてみる
温浴施設は、施設によって滞在時間にも違いがあります。アクトパスの調査では、最も多かった滞在時間の回答が、温泉で1日、銭湯で90分、スーパー銭湯・日帰り温泉で2時間、サウナ専門施設で2時間、健康ランドで半日となっています。また、男女別では女性のほうが長い滞在時間になる傾向も見られました。

もちろん、これはあくまで調査対象者の回答です。それでも、「お風呂に入る時間」だけを考えるのではなく、食事をしたり、休憩したり、サウナに入ったりする時間まで含めて考えると、ホームページで伝える内容も変わってきそうです。
温泉・スーパー銭湯・銭湯で、伝えるべきことは少し違う
同じ「お風呂の施設」でも、ホームページで中心になる情報は少し違います。

施設 | 伝えたい情報の例 |
温泉・日帰り温泉 | 泉質、源泉、露天風呂、景色、食事、休憩、周辺観光 |
スーパー銭湯 | お風呂、サウナ、岩盤浴、食事、休憩、料金、イベント |
銭湯 | 営業時間、料金、アクセス、浴槽、設備、利用ルール、地域との関わり |
もちろん、すべての施設がこの通りというわけではありません。施設の立地や客層、設備によって、必要な情報は変わってきます。

特に銭湯は、他の2つとは少し事情が違います。厚生労働省の「公衆浴場業概要」によると、令和6年3月末時点で、公営・私営を合わせた「一般公衆浴場(銭湯)」は全国に2,847施設。昭和45年当時、浴場業全体の87%を一般公衆浴場が占めていましたが、令和5年度には12.0%まで下がっています(厚生労働省「公衆浴場業概要」)。より詳細な施設数の推移は、総務省統計局が運営する政府統計ポータル「e-Stat」で、厚生労働省の「衛生行政報告例」として年度ごとに公開されています(e-Stat「衛生行政報告例」)。2026年に報じられた記事では、この令和6年度の衛生行政報告例をもとに、銭湯は全国2,730施設まで減少し、半世紀で8割超が姿を消したと伝えられています。背景には、各家庭への風呂の普及、施設の老朽化、経営者の高齢化に加え、近年は重油高騰や物価高も重なっていると指摘されています(Yahoo!ニュース「銭湯、半世紀で8割消えた」(朝日新聞))。
だからこそ、地域に根ざした銭湯にとっては、ホームページが単なる紹介ページ以上の意味を持つこともあります。近くに住んでいても、実は営業日や設備を知らない人は少なくありません。「この銭湯はまだ営業しているのか」「何時までやっているのか」がすぐ分かるだけでも、来店のハードルはかなり下がるはずです。
温泉・スーパー銭湯のホームページ制作費用相場
ホームページ制作の費用は、ページ数や写真撮影、予約・混雑情報などのシステム、更新機能によって大きく変わります。ざっくり考えるなら、例えば次のようなイメージです。

制作規模 | 費用の目安 | できること |
小規模 | 30万〜60万円程度 | 基本情報を中心に紹介 |
標準的 | 60万〜120万円程度 | 写真・設備・料金・施設紹介などを充実 |
大規模 | 120万〜200万円以上 | 多数のページ、撮影、予約・更新機能など |
ただし、温浴施設の場合は「ページ数が多いから高い」と単純には言えません。写真撮影をするのか、スタッフが更新できるようにするのか、イベント情報をどのように管理するのか、混雑情報や予約システムと連携するのか。そういった部分でも費用は変わります。
温浴施設のホームページ制作の流れ
実際に制作を依頼すると、どんな順番で進んでいくのかも気になるところだと思います。施設の規模や内容によって前後しますが、大まかにはこのような流れになります。

まずヒアリングで、施設の特徴やターゲット、現状の課題を整理します。次に、泉質や設備、料金体系など、掲載する情報を洗い出しながら構成を組み立てます。そのうえで撮影を行い、浴室、サウナ、休憩スペースなど、施設の魅力が伝わる写真を揃えます。撮影と並行して原稿を作成し、デザインへ。予約システムや混雑情報の連携が必要な場合は、この段階で仕様を詰めていきます。コーディングを経て公開したあとも、イベント情報や料金の更新をどう運用するかまで含めて、伴走しながら進めていくのが理想的です。
写真はかなり重要
温浴施設は、文章だけでは伝わりにくい部分があります。「露天風呂があります」と書くよりも、「露天風呂からどんな景色が見えるのか」を写真で見てもらったほうが、利用する人には分かりやすいかもしれません。同じように、浴室、露天風呂、サウナ、水風呂、岩盤浴、食事処、休憩スペース、館内の雰囲気などを写真で見せることで、「行ったらどんな感じなのか」を想像しやすくなります。
料金や営業時間は「探しやすさ」も大切

温浴施設のホームページを見る人が、必ずしも施設について詳しく知りたいとは限りません。「今日やってる?」「いくら?」「タオルは持っていく?」「何時まで?」「駐車場はある?」という、かなり具体的な目的でアクセスする人もいます。そのため、料金、営業時間、定休日、最終受付、アクセス、駐車場、支払い方法、タオル・館内着、利用ルールなどは、できるだけ探しやすくしておきたいところです。特にスマートフォンでは、トップページを長くスクロールさせるだけではなく、必要な情報へすぐ移動できる構成も考えたいと思います。
「全部トップページに載せる」は、本当に必要?

温浴施設は情報が多くなりやすい業種です。泉質、浴槽、サウナ、岩盤浴、料金、食事、イベント、アクセス、FAQ。これを全部トップページに詰め込むと、かえって見づらくなることがあります。施設紹介、お風呂・泉質、サウナ・岩盤浴、食事、料金・利用案内、イベント、アクセス、FAQというように分けてもいいでしょう。必要な情報が多いなら、1ページに詰め込むのではなく、複数ページに分けたほうが分かりやすくなることもあります。ホームページを作るときは、「載せられる情報を全部載せる」よりも、「この情報を知りたい人は誰なのか」から考えてみると、整理しやすくなるかもしれません。
温泉・スーパー銭湯・銭湯のホームページでよくある失敗
ここまで見てきた内容を踏まえて、実際によく見かける失敗パターンを整理してみます。まずは一覧です。

失敗 | 内容 |
施設の写真が少ない | 設備はたくさんあるのに、写真が少なく、実際の雰囲気が分からない |
料金が見つからない | トップページを探しても料金ページが見つからない |
泉質の説明が難しい | 専門用語はたくさん書いてあるけれど、結局どんな温泉なのか分からない |
サウナ情報が足りない | 温度や水風呂、外気浴など、サウナ目的の人が知りたい情報が載っていない |
更新情報が古い | イベントや休館日、料金などの情報が古いままになっている |
情報を詰め込みすぎる | 必要な情報をすべて1ページに入れようとして、かえって探しにくくなっている |
予約・混雑状況が分からない | 今どれくらい空いているのか、予約が必要なのかが分からない |
スマホで見づらい | 文字が小さい、タップしにくい、表が崩れているなど、スマホでの使い勝手が悪い |
それぞれ、もう少し詳しく見ていきます。
施設の写真が少ない
設備はたくさんあるのに、写真が少なく、実際の雰囲気が分からない。これは温浴施設のホームページで、特によく見かける失敗です。露天風呂やサウナ、休憩スペースなど、せっかく魅力的な設備があっても、写真が数枚しかなかったり、暗くて分かりにくい写真だったりすると、その魅力は半分も伝わりません。「行けば分かる」ではなく、「行く前に分かる」ことが、初めての人にとっては来館のきっかけになります。
料金が見つからない
トップページを探しても料金ページが見つからない。特に「今日行ってみようかな」と思っている人にとって、料金がすぐに分からないことは、かなりのストレスになります。入浴料だけでなく、タオルレンタルや館内着、岩盤浴などのオプション料金まで含めて、一覧で分かりやすく見せておきたいところです。
泉質の説明が難しい
専門用語はたくさん書いてあるけれど、結局どんな温泉なのか分からない。泉質名を正確に書くことは大切ですが、それだけでは温泉に詳しくない人には伝わりません。「肌がすべすべになる」「体の芯から温まる」など、専門用語と体感的な説明をセットで載せることで、詳しい人にも初めての人にも伝わるページになります。
サウナ情報が足りない
温度や水風呂、外気浴など、サウナ目的の人が知りたい情報が載っていない。サウナを目的に施設を選ぶ人は、一般的な入浴客よりも情報への要求が高い傾向があります。サウナ室の温度、水風呂の温度、ロウリュやアウフグースの有無、外気浴スペースの様子など、細かい情報まで載せることで、サウナファンからの信頼を得やすくなります。
更新情報が古い
イベントや休館日、料金などの情報が古いままになっている。特にホームページの下部や「お知らせ」欄が、何年も前の情報のまま止まっていることがあります。これは「今も営業しているのだろうか」という不安につながりかねません。自分たちで簡単に更新できる仕組みにしておくことが、地味だけれど大切なポイントです。
情報を詰め込みすぎる
必要な情報をすべて1ページに入れようとして、かえって探しにくくなっている。温浴施設の場合は、情報量が多いことそのものが問題なのではなく、必要な情報にたどり着けないことが問題になることもあります。ページを分ける、見出しを整理する、目次を用意するなど、情報の「量」ではなく「探しやすさ」を意識したいところです。
予約・混雑状況が分からない
今どれくらい空いているのか、予約が必要なのかが分からない。サウナブームもあり、混雑状況を事前に知りたいというニーズは年々高まっています。リアルタイムでなくても、「土日は混みやすい」「平日午前中は比較的空いている」といった目安を載せるだけでも、来館者にとっては十分に参考になります。
スマホで見づらい
文字が小さい、タップしにくい、表が崩れているなど、スマホでの使い勝手が悪い。「今日やってる?」「いくら?」といった調べものは、その場でスマートフォンから検索されることがほとんどです。パソコンで見たときはきれいでも、スマホで見ると料金表が崩れていたり、電話番号がタップで発信できなかったりすることは、意外とよくあります。公開前には、必ず実機で確認しておきたいところです。
ホームページは「施設紹介」だけではなく「来館前の案内」でもある
温泉やスーパー銭湯に初めて行くとき、「何を持っていけばいい?」「館内着はある?」「女性一人でも行きやすい?」「子どもは何歳から利用できる?」「サウナは混んでいる?」など、いろいろな疑問が出てくるかもしれません。
ホームページですべての疑問を解決する必要はないと思います。ただ、よく問い合わせを受けることや、初めて来る人が迷いやすいことを整理しておくと、ホームページが「施設を紹介する場所」から「来館前の案内所」のような役割を持つこともあります。
海外からのお客さまにとって、温泉は「行ってみたい観光」の代表格
日本交通公社(JTB総合研究所)が日本政策投資銀行と共同で実施した「DBJ・JTBFアジア8地域・訪日外国人旅行者の意向調査」では、24枚の観光地イメージ写真の中から「行ってみたい日本の観光地」を選んでもらったところ、温泉が71%でトップという結果でした。観光庁の「訪日外国人消費動向調査」でも、温泉は「今回の訪日旅行でしたこと」では7位ですが、「次回したいこと」では2位まで上がっています(日本交通公社「外国人の温泉に対する意識」)。2015年の調査とやや古いものではありますが、「一番人気なのに、まだ体験していない人が多い」という構図は、今も参考になりそうです。

ただ、興味はあっても、実際に一歩を踏み出すには壁もあります。裸での入浴に慣れていない、脱衣所や浴室でのマナーが分からない、タトゥーが入っていて入浴できるか不安、といった声はよく聞かれます。多言語対応がすべての施設に必要というわけではありませんが、入浴の流れやマナー、タトゥーに関する施設の方針だけでも英語で案内しておくと、興味を持っている人の背中を押すことにつながるかもしれません。
Googleビジネスプロフィールとの整合性も忘れずに

ホームページ本体の話からは少し逸れますが、温浴施設の集客では、Googleビジネスプロフィール(Googleマップに表示される情報)との連携も欠かせません。地味に見えて、効果の大きい部分です。
まず大切なのが、施設名・住所・電話番号(いわゆるNAP情報)を、ホームページとGoogleビジネスプロフィールで完全に一致させておくことです。「株式会社」の有無、住所の表記ゆれ、電話番号のハイフンの有無など、細かい違いでも、Googleが同一施設と認識しにくくなることがあります。ホームページをリニューアルするタイミングで、Googleビジネスプロフィール側の表記も一緒に見直しておくと安心です。
もうひとつ、意外と見落とされがちな注意点があります。Googleビジネスプロフィールには、「ウェブサイト」欄と「ソーシャル メディアのリンク」欄が、それぞれ別の項目として用意されています(Googleビジネスプロフィールヘルプ「ビジネス プロフィールを編集する」、「ソーシャル メディアのリンクを管理する」)。SNSのアカウントは専用の欄に設定する仕組みになっているので、「ウェブサイト」欄には公式サイトのURLを、SNSはSNS用の欄に、と分けて設定しておくのが本来の使い方です。また、Google公式ヘルプでは、ビジネスの説明欄について「URLやHTMLコードを含めることはできません」と明記されています。よく見かける「説明文の中にホームページのリンクを貼っておく」というやり方は、そもそも仕様として通らない、ということです。公式サイトを持っているなら、用意されている欄に、それぞれ正しく設定しておくことが基本になります。
制作会社を選ぶときに見ておきたいポイント

撮影に対応してもらえるか
温浴施設のホームページは、写真の質が印象を大きく左右します。撮影が別料金なのか、パッケージに含まれているのか。浴室やサウナなど、湿気の多い場所での撮影経験があるかどうかも、確認しておくと安心です。
予約・混雑情報システムとの連携実績
混雑状況の表示や予約システムを導入したい場合、外部サービスとの連携やAPI連携の経験があるかどうかで、実現できることが変わってきます。検討している仕組みがあれば、早めに相談しておくとスムーズです。
公開後の更新のしやすさ
イベント情報や料金、休館日などは、比較的頻繁に更新が発生する部分です。自分たちで更新できる仕組みになっているか、更新のたびに制作会社へ依頼が必要なのかによって、公開後の運用負担が大きく変わります。
スマホでの見え方まで確認してくれるか
先ほど触れた通り、温浴施設のホームページはスマホからのアクセスが中心になりやすい業種です。デザイン確認の際に、パソコンの画面だけでなく、スマホでの見え方まで一緒に確認してくれる制作会社かどうかも、ひとつの判断材料になります。
温泉・スーパー銭湯・銭湯のホームページ制作について、よくある質問
写真は自分たちで撮ってもいいですか?
既存の写真を使うこと自体は問題ありません。ただ、浴室やサウナなどは湿気や照明の影響で、スマートフォンで撮った写真だと薄暗く写ってしまうことがあります。特にメインで使う写真だけでも、プロに撮影してもらうことを検討する施設が多いです。
イベント情報や料金は自分たちで更新できますか?
多くの場合、更新しやすい仕組みにすることができます。ブログ感覚で更新できるようにするのか、決まった項目だけを差し替えられるようにするのかなど、更新の頻度や担当者のITスキルに合わせて設計するのがおすすめです。
多言語対応は必要ですか?
立地や客層によります。観光地に近い施設や、外国人観光客の利用が見込まれる場合は、入浴マナーや刺青(タトゥー)に関するルールなど、日本特有の慣習を説明するページがあると親切です。最初から全ページを多言語化する必要はなく、必要な部分から対応する方法もあります。
データを並べてみて、見えてきたこと
ここまで、いくつもの調査データを見てきました。最後に、それぞれを並べてみて感じたことを書いておきます。
まず、業界全体としては回復基調にあるものの、施設のタイプによって状況はかなり違う、ということです。温浴施設全体の参加人口はコロナ禍から回復しつつあり、スーパー銭湯や日帰り温泉にも一定の需要があります。一方で銭湯だけは、家庭風呂の普及や経営者の高齢化という構造的な要因を抱えていて、回復基調とは別の理由で数を減らし続けています。同じ「お風呂の施設」でも、置かれている状況はまったく別物だということです。
次に、サウナのデータからは「全体の数字だけを見ていると、見誤ることがある」という教訓を感じました。サウナ愛好家全体の人口は減っているのに、月に何度も通うヘビーサウナーは増えている。もし「サウナ人口は減っているから力を入れなくていい」と判断してしまったら、実際に来館頻度を支えているコアな層を取りこぼすことになります。全体の人口だけでなく、誰が実際に足を運んでくれているのかまで見る必要がある、ということなのだと思います。
そして、外国人観光客のデータからは、「興味はあるのに、まだ体験していない人が多い」という構図が見えてきました。温泉は行ってみたい観光地イメージの1位でありながら、実際に体験した人はそれほど多くありません。これは裏を返せば、正しく情報を届けられれば、まだ伸びる余地があるということでもあります。
私たちがこうした数字を並べて見て思うのは、「業界全体がどうなるか」よりも、「自分たちの施設に、どんな人が、どんな理由で来てくれているのか(あるいは来てくれていないのか)」を見ることのほうが、結局は近道になるということです。全国的な数字は、あくまで大きな傾向にすぎません。ホームページで本当に届けるべき相手は、目の前のお客さま一人ひとりです。データはその手がかりであって、答えそのものではない。そんなふうに、数字と向き合っていけたらと思っています。
「ここでどう過ごせるか」が伝わるホームページに

温泉・スーパー銭湯・銭湯のホームページでは、料金や営業時間などの基本情報はもちろん、泉質、お風呂、サウナ、食事、休憩スペースなど、その施設ならではの魅力を伝えることが大切です。
そして、利用者層も一様ではありません。男女によって求める情報が違うこともあれば、年代によって利用目的が違うこともあります。だからこそ、「温浴施設のホームページなら、この情報を載せればいい」と決めてしまうより、「自分たちの施設には、どんな人が来て、何を知りたがっているのか」から考えてみる。そのうえで、必要な情報を必要な場所に配置する。情報が多くなれば、1ページにまとめず複数ページに分ける。そんな作り方が、温泉・スーパー銭湯・銭湯のホームページには合っているのかもしれません。
「お風呂があります」だけではなく、「ここに来たら、こんな時間を過ごせます」が伝わる。そんなホームページを考えてみるのも、ひとつの方法だと思います。

