こんにちは。湖と月デザインです。
ホテルや旅館のホームページをつくるとき、「きれいな写真を載せて、客室や料理を紹介すればいい」と考えることもあるかもしれません。もちろん、それも大切なことです。でも、宿泊施設のホームページを訪れる人が知りたいのは、部屋の広さや設備だけではありません。どんな料理が食べられるのか。どんなお風呂に入れるのか。この宿に泊まったら、どんなふうに過ごせるのか。そして、泊まりたいと思ったときに、スムーズに予約できるのか。こうした情報がひとつにつながっていることも、宿泊施設のホームページには大切なんじゃないかと思います。
今日は、ホテル・旅館のホームページ制作にかかる費用の目安から、写真や客室、料理、お風呂、観光情報、予約システムまで、つくる前に考えておきたいことをまとめてみます。
ホテル・旅館のホームページ制作、費用相場はどれくらい?

ホテルや旅館のホームページ制作費用は、つくるページ数やデザインだけでなく、写真撮影や文章、予約システム、多言語対応など、どこまで制作するかによって変わります。すでに写真や文章が揃っていて、必要な情報をシンプルにまとめるだけなら、比較的コンパクトな制作になることもあります。一方で、客室ごとのページをつくったり、料理や館内施設を詳しく紹介したり、予約システムと連携したりする場合は、それだけ考えることも増えていきます。
費用の目安 | どんな制作か |
40万円前後〜 | 必要な情報を整理して、比較的シンプルなホームページをつくるケース。既存の写真や文章を活用できる場合は、制作内容を抑えられることもあります。 |
50〜100万円前後 | オリジナルのデザインで、客室・料理・館内施設などをしっかり紹介するホームページ。構成や導線も含めて考えていくケースです。 |
100万円以上 | 写真撮影や文章制作、多言語対応、予約システムとの連携など、ホームページ全体をつくり込んでいくケース。 |
もちろん、これはあくまで目安です。同じ「ホテルのホームページ」でも、客室数や施設の規模、必要な機能によって制作内容は大きく変わります。金額だけを見るよりも、「その費用でどこまでつくってもらえるのか」を確認してみることが大切です。
ホテル・旅館のホームページで大切なのは「泊まるイメージ」
ホテルや旅館を探しているとき、客室の写真だけを見て予約を決める人は、そう多くありません。どんな部屋なのか。どんな料理が出てくるのか。お風呂はどんな雰囲気なのか。宿の周りには何があるのか。そして、そこでどんな時間を過ごせるのか。ホームページを見ながら、実際に泊まったときのことを想像しているのだと思います。だからこそ、ホテル・旅館のホームページでは「施設の情報」だけでなく、「泊まったときの体験」が伝わることも大切です。
客室の違いがわかる

ホテルや旅館には、和室、洋室、露天風呂付き客室、特別室など、いくつかの客室タイプがあることも多いですよね。それぞれの部屋にどんな違いがあるのかがわからないと、せっかく興味を持っても「どの部屋を選べばいいんだろう」と迷ってしまいます。写真だけでなく、定員、広さ、ベッドの有無、風呂・トイレ、客室からの眺め、客室の特徴など、予約を考えるときに必要になりそうな情報を整理しておくと、部屋を選びやすくなります。
ただ、すべての情報を同じように大きく見せる必要はありません。その宿を選ぶ人にとって、何がわかれば十分なのかを考えてみることも大切です。
写真から宿の雰囲気が伝わる
ホテルや旅館のホームページでは、写真も大きな役割を持っています。客室だけでなく、外観、館内、ロビー、食事、お風呂、周辺の景色、スタッフ、季節の風景など、宿で過ごす時間を想像できる写真があると、その場所での体験をイメージしやすくなります。とはいえ、写真は多ければ多いほどいい、というわけでもありません。たくさんの写真を並べるよりも、「この宿らしさが伝わる写真はどれだろう」と考えてみるほうが、見やすいホームページになることもあります。
ホテル・旅館のホームページ制作の流れ

ここまで、伝えたい内容についてお話ししてきました。ここで一度、実際に制作を依頼すると、どんな順番で進んでいくのかを整理しておきます。宿の規模や依頼内容によって前後しますが、大まかにはこのような流れです。
ヒアリング
目的や客室数を整理します。
情報整理・撮影
客室・料理・お風呂といった情報を整理しながら撮影を行います。
予約方法の検討
どの予約システムを使うか、並行して検討します。
デザイン
整理した情報と予約方法をもとに、見た目に落とし込みます。
多言語対応(必要な場合)
必要であれば、多言語対応も進めます。
コーディング
デザインを、実際に動くページとして実装します。
公開・運用
公開後も、アクセス状況などを見ながら運用を続けていきます。
この流れを踏まえたうえで、次は特に迷いやすい「予約システム」について、もう少し詳しく見ていきます。
宿での楽しみ方も、ホームページで伝えたい
旅行の楽しみ方は人それぞれですが、ホテルや旅館を選ぶときには、「どんなものが食べられるか」「どんなお風呂に入れるか」「周辺で何ができるか」といったことも気になるのではないでしょうか。宿そのものだけでなく、宿で過ごす時間まで想像できると、ホームページの印象も少し変わってきます。
どんな料理が食べられる?

ホテルや旅館を選ぶとき、料理を楽しみにしている人も多いと思います。夕食や朝食の内容はもちろん、地元の食材、季節の料理、会席料理やコース料理、食事場所、部屋食なのか、アレルギー対応、子ども向けの食事など、必要に応じて紹介します。ここでも、料理の写真をたくさん載せることだけが目的ではありません。「この宿に泊まったら、こんな料理を食べられるんだ」と感じてもらえること。そのためには、料理そのものだけでなく、食材や料理に対する宿の考え方を少し紹介するのもよさそうです。
どんなお風呂に入れる?

旅館や温泉宿なら、お風呂も楽しみのひとつです。大浴場なのか、露天風呂があるのか。貸切風呂や客室風呂はあるのか。どんな景色を見ながら入れるのか。泉質や入浴時間など、必要な情報もあります。ただ、「露天風呂があります」と設備だけを伝えるよりも、「夜は星を眺めながら入れる」「朝の光が入る大浴場」など、その場所でどんな時間を過ごせるのかが伝わると、泊まったときのイメージもしやすくなります。
周辺で、どんな観光ができる?

宿泊する人にとっては、宿の中だけでなく、周辺で何をするかも気になるところです。近くの観光地や季節の見どころ、散策できる場所などを、宿からの距離やアクセスと一緒に紹介しておくと便利です。ただ、周辺の観光情報をすべてホームページに載せる必要はありません。「この宿に泊まる人にとって、知っておくと嬉しい場所はどこだろう」。そんな視点で考えてみると、必要な情報を選びやすくなると思います。
「泊まりたい」と思ったあと、予約しやすいことも大切
宿の魅力が伝わって、「ここに泊まってみたい」と思ってもらえたとしても、予約方法がわかりにくければ、そこで離れてしまうこともあります。ホテルや旅館のホームページでは、デザインだけでなく、予約までの流れも一緒に考えておきたいところです。
予約システムには、いくつかの方法があります。ざっくり整理すると、WordPressのプラグインを使う方法、無料・低価格の外部サービスを使う方法、宿泊施設向けの有料サービスを使う方法、そして独自に仕組みをつくる方法の4つです。それぞれ見ていきます。
WordPressプラグインを使う
WordPressでホームページを制作する場合、予約機能を追加できるプラグインを利用する方法があります。代表的なものに、MotoPress Hotel BookingやVikBookingがあります。
サービス例 | 料金の目安 | 主な機能 | 向いていそうな宿 |
MotoPress Hotel Booking | 1サイト年額139ドル、買い切り499ドル | 客室・料金・空室管理、オンライン予約、決済 | WordPressでホームページと予約機能をまとめたい宿 |
VikBooking | Proプラン149ユーロ、無料版あり | 客室管理、料金設定、予約、決済、PMS機能、チャネルマネージャー連携 | WordPress上で比較的本格的な予約管理をしたい宿 |
(2026年9月時点、公式サイトの情報をもとにしています。料金は変わる可能性があるので、最新情報は各公式サイトでご確認ください)
ここで気をつけたいのは、「プラグインだから安い」と単純化しないことです。プラグイン自体の料金だけでなく、サーバー、WordPressの構築や設定、決済手数料、必要に応じた追加アドオンなども含めて考える必要があります。
無料・低価格の外部サービスを使う
もうひとつは、外部の予約サービスを利用する方法です。サービス側で予約ページや管理機能を用意しているため、ホームページ側ではそこへ誘導する形にすることもできます。代表的なものに、RESERVAやSTORES予約があります。
サービス例 | 料金の目安 | 主な機能 | 向いていそうな宿 |
RESERVA | フリー0円/月〜、ブルー3,850円/月〜(年払い) | 予約受付、顧客管理、宿泊タイプ対応、Googleカレンダー連携 | 小規模な宿、まず予約システムを低コストで試したい宿 |
STORES予約 | フリー0円/月〜、スモール9,790円/月〜(年契約) | 予約・決済、顧客管理、予約ページ作成 | シンプルな予約受付から始めたい宿 |
(2026年9月時点)
「まずはオンライン予約を導入してみたい」という宿なら、こうした無料・低価格のサービスから始めてみる方法もあります。ただし、無料だから費用がかからない、とは限りません。予約時の手数料や決済手数料など、サービスによって条件が違うので、利用前に確認しておきたいところです。
宿泊施設向けの有料サービスを使う
ホテルや旅館向けに、予約管理に必要な機能をまとめて提供している有料サービスもあります。代表的なものに、ねっぱん!サイトコントローラー++があります。
サービス例 | 料金の目安 | 主な機能 | 向いていそうな宿 |
ねっぱん!サイトコントローラー++ | 5室以下:初期55,000円+月額6,600円 / 6室以上:初期55,000円+月額10,780円 | 複数の宿泊予約サイトの在庫・料金・予約情報を一元管理、PMS連携 | OTAを複数利用している宿、在庫管理をしっかり行いたい宿 |
(2026年9月時点。予約数に応じた従量課金はありません)
これは「自社ホームページの予約フォーム」というよりも、じゃらんや楽天トラベルなど複数の予約経路を含めた、宿泊予約の管理側として使うサービスです。「ホームページに予約ボタンをつけたい」のか、「複数の予約経路をまとめて管理したい」のかで、必要なものは変わってきます。
独自の予約システムをつくる方法もある
既存のサービスを利用する以外に、自分たちの宿に合わせて予約の仕組みをつくる方法も考えられます。
組み合わせる仕組み | 料金の目安 | 向いていそうな宿 |
Jamstack(ホームページ)+Googleスプレッドシート(データ管理)+Googleカレンダー+予約フォームサービス | 制作内容によって変動 | 小規模宿など、既存サービスでは機能が多すぎる場合 |
小規模な宿泊施設などで、必要な機能を絞るのであれば、こうした構成で予約管理の仕組みを考えられる場合もあります。ただし、客室数が多かったり、複数の部屋タイプや料金プランを扱ったり、決済・キャンセル・在庫管理などまで必要になったりすると、仕組みは一気に複雑になります。「技術的につくれるか」と「宿の運用として無理なく使えるか」は、少し別の話です。独自の仕組みを考える場合も、まずは「何が必要なのか」を整理してから考えてみるのがよさそうです。
4つの方法、まとめて見比べると

方法 | サービス例 | 料金の目安 | 向いていそうな宿 |
WordPressプラグイン | MotoPress Hotel Booking / VikBooking | 年額139ドル〜、または149ユーロ〜(プランによる) | WordPressでホームページと予約機能をまとめたい宿 |
無料・低価格の外部サービス | RESERVA / STORES予約 | 0円/月〜(有料プランは数千円/月〜) | 小規模な宿、まず低コストで試したい宿 |
宿泊施設向けの有料サービス | ねっぱん!サイトコントローラー++ | 初期55,000円+月額6,600円〜10,780円 | OTAを複数利用し、在庫管理をしっかり行いたい宿 |
独自開発 | Jamstack+Googleスプレッドシート+Googleカレンダーなど | 制作内容によって変動 | 小規模宿など、既存サービスでは機能が多すぎる場合 |
料金は2026年9月時点で各公式サイトを確認した目安です。プランや契約期間によって変わり、予約手数料や決済手数料が別途発生する場合もあるので、実際に検討する際は各サービスの最新の料金ページを確認してください。
予約システムには、無料で使えるものから、宿泊施設向けの本格的なサービス、独自に仕組みをつくる方法まで、いくつかの選択肢があります。ただ、料金が安いものを選べばいい、高機能なものを選べばいい、というわけでもありません。客室数はどのくらいあるのか。電話予約はどのくらいあるのか。じゃらんや楽天トラベルなどのOTAを利用しているのか。オンライン決済は必要なのか。その宿の予約方法を一度整理してみると、必要な仕組みも見えてくると思います。
予約システムは「高機能」より「宿に合っているか」
予約システムというと、できることが多いサービスを選びたくなるかもしれません。でも、すべての宿に同じ機能が必要なわけではありません。客室数が少なく、電話予約も多い小さな宿なら、シンプルな予約フォームとカレンダーだけでも十分な場合があります。一方で、客室やプランが多い宿なら、空室や料金をまとめて管理できる仕組みが必要になるかもしれません。海外からのお客さまが多ければ、多言語対応やオンライン決済も必要になるでしょう。「一番高機能な予約システムを入れる」のではなく、「この宿には、どこまで必要なんだろう」と考えてみる。それだけでも、選ぶものが変わってきます。
ホテル・旅館のホームページに必要な情報
アクセス
住所、地図、最寄り駅、駐車場、車でのアクセス、送迎、空港などからのアクセス。初めて訪れる人でも、実際に宿へ向かうところまで想像できるようにしておくと安心です。
館内施設
大浴場やレストランだけでなく、ラウンジ、売店、Wi-Fi、コインランドリー、キッズスペース、バリアフリー設備など、その宿に必要な情報を整理します。
よくある質問
「チェックインは何時まで?」「子どもも泊まれる?」「駐車場はある?」「支払い方法は?」「キャンセル料は?」など、予約前に気になることは人によって違います。問い合わせが多い内容があれば、それをFAQとしてまとめておくのもよさそうです。
ターゲットによって「あったら助かる」機能・情報

必須ではないけれど、来てほしいお客さま像によっては「あると助かる」情報があります。多言語対応もそのひとつです。すべての宿に同じものが必要なわけではなく、想定するお客さまによって、優先すべきものは変わってきます。
項目 | 助かるお客さま | 具体例 |
多言語対応 | 海外からのお客さま | 英語・中国語・韓国語などでの案内。すべてのページでなく、予約に関わる部分だけでも効果があります |
バリアフリー情報 | 高齢の方、車椅子を利用する方 | 段差の有無、エレベーターの有無、バリアフリー客室の情報 |
ペット同伴の可否 | ペットと一緒に旅行したい方 | 同伴可能な客室、追加料金、館内での注意事項 |
キャッシュレス対応 | 海外からのお客さま、現金を持ち歩きたくない方 | 対応しているクレジットカード、QRコード決済の種類 |
食事制限への対応 | アレルギーがある方、宗教上の理由で食事制限がある方 | アレルギー対応可否、ハラール対応の有無 |
Wi-Fi・作業環境 | ワーケーションで利用したい方 | 通信速度の目安、客室やロビーでの作業のしやすさ |
子ども向け設備 | 小さな子ども連れのご家族 | キッズスペース、貸出用品、添い寝の可否 |
駐車場・送迎の詳細 | 車を持たない方、高齢の方 | 最寄り駅からの送迎時間、送迎予約の要否 |
全部を同時に整えようとする必要はありません。宿がどんなお客さまに来てほしいかを考えて、そこに合う項目から情報を整えていくくらいがちょうどいいと思います。
ひとつ補足です。多言語対応で、特にヨーロッパ圏のお客さまを意識してドイツ語やフランス語のページをつくる場合は、GDPR(EUの一般データ保護規則)や、ドイツ向けであればDDG(ドイツのデジタルサービス法)への配慮も少し考えておきたいところです。Google Analyticsなどのアクセス解析やCookieの扱い、価格情報の見せ方などが、単純に英語ページを増やす場合とは違う論点になってきます。すべての宿に必要な対応ではありませんが、ヨーロッパからの宿泊予約を本格的に増やしたい場合は、早めに相談しておくと安心です。
ホテル・旅館のホームページでよくある失敗

写真はきれいだけど、知りたい情報が見つからない
写真の印象はとても大切ですが、予約をするためには具体的な情報も必要です。「写真はきれいだけど、部屋の違いがわからない」「食事の時間がわからない」「お風呂の利用時間が見つからない」。そんな状態だと、予約を考えている人が迷ってしまいます。
客室やプランの違いがわからない
客室や宿泊プランが多いほど、「結局どれを選べばいいの」となりやすくなります。それぞれの違いをわかりやすく整理するだけでも、選びやすさは変わってきます。
予約ボタンが見つからない
ホームページを見て「泊まってみたい」と思った人が、予約ページを探さなければならない状態は、少しもったいないです。ページの中で自然に予約へ進める導線を考えておきたいところです。
予約システムとホームページが別々になっている
予約システム自体は便利でも、ホームページとのデザインや導線がうまくつながっていないと、利用する人が戸惑うこともあります。予約システムを選ぶときは、機能だけでなく、ホームページとのつながりも考えてみるとよさそうです。
情報を載せすぎて、かえって選びにくい
「せっかくホームページをつくるんだから、全部載せておこう」。そう思う気持ちもよくわかります。でも、情報が増えれば増えるほど、見やすくなるとは限りません。客室がたくさんあるなら、それぞれをどう整理するか。観光情報がたくさんあるなら、どこまで紹介するか。料理の写真がたくさんあるなら、どれを見せるか。必要な情報を残しながら、必要のないものは少し手放してみる。そんな整理が、ホテル・旅館のホームページにも必要なのかもしれません。
情報が多いなら、1ページにまとめなくてもいい
ホテルや旅館のホームページをつくるとき、「全部1ページに入れたほうがいいのかな」と考えることもあるかもしれません。でも、客室も料理もお風呂も観光情報も、伝えたいことがたくさんあるなら、無理に1ページにまとめる必要はありません。客室、料理、温泉、館内施設、周辺観光、アクセス、よくある質問など、それぞれにページを分けることで、知りたい情報を探しやすくなることもあります。
大切なのは、「どれだけ情報を載せるか」だけではなく、「その情報をどう整理するか」。情報がたくさんあるからこそ、ページを分ける。そんな考え方も、ホームページをつくるときには選択肢のひとつになりそうです。
ホテル・旅館のホームページ制作費用は、何で変わる?
ここまで見てきたように、ホテルや旅館のホームページは、単純にページをつくるだけではありません。制作費用に影響するものとしては、ページ数、デザイン、写真撮影、文章制作、CMS、多言語対応、予約システム、外部サービスとの連携、独自システムの開発、公開後の更新・保守などがあります。
写真はすでに揃っているのか、新しく撮影するのか。予約システムは外部サービスを使うのか、独自につくるのか。英語ページは必要なのか。客室ごとにページをつくるのか、ひとつのページにまとめるのか。こうしたひとつひとつの選択によって、必要な制作内容も変わってきます。「ホームページ制作費〇万円」という金額だけで判断するのではなく、その費用に何が含まれているのかを見てみることが大切です。
制作会社を選ぶときに見ておきたいポイント
予約システムの導入・連携経験があるか
ホテル・旅館のホームページは、一般的な会社紹介サイトと違って、予約システムとの連携が前提になります。WordPressプラグインの実装経験、外部予約サービスとの連携実績、独自開発の経験など、どの方法にどれだけ慣れているかは会社によって差があります。検討している予約方法について、実績を聞いてみると安心です。
撮影・文章制作まで対応してもらえるか
客室や料理、お風呂の魅力を伝えるには、写真と文章の質が大きく影響します。撮影が別料金なのか、パッケージに含まれているのか。文章はヒアリングをもとに書き起こしてもらえるのか、お店側で用意する必要があるのか。事前に確認しておくと、準備の負担が見えやすくなります。
多言語対応の範囲と方法
多言語対応が必要な場合、機械翻訳をベースにするのか、人の手で翻訳するのか、どの範囲まで対応するのかによって、費用も品質も変わります。「とりあえず全ページ翻訳しておきます」ではなく、どのページを優先すべきかを一緒に考えてくれる会社かどうかも、判断材料になります。
公開後の更新・保守の範囲
客室情報やプラン、料金は季節によって変わることも多いはずです。更新を自分たちで行えるのか、都度依頼が必要なのか。更新のたびに費用が発生するのか、契約に含まれているのか。長く使うホームページだからこそ、公開後の運用体制も確認しておきたいところです。
ホテル・旅館のホームページ制作について、よくある質問
予約システムは、あとから変更できますか?
多くの場合、変更は可能です。ただし、外部サービスから別の外部サービスへの移行や、プラグインから独自システムへの切り替えなどは、データの移行やホームページ側の調整が必要になることがあります。将来的に客室数やプランが増える見込みがあるなら、最初の相談時に伝えておくと、変更しやすい構成を検討してもらいやすくなります。
OTA(じゃらん・楽天トラベルなど)と自社ホームページ、両方必要ですか?
両方を使っている宿は多いです。OTAは新しいお客さまとの接点になりやすく、自社ホームページは宿の魅力を詳しく伝えたり、OTA経由よりお得な条件で直接予約してもらったりする役割を持てます。どちらか一方ではなく、それぞれの役割を分けて考えると整理しやすくなります。
多言語対応は、最初から全部やるべきですか?
必ずしもそうとは限りません。海外からのお客さまがどのくらいいるか、今後増やしたいかによって、優先度は変わります。まずは予約に関わる重要なページだけ多言語対応し、様子を見ながら範囲を広げていく進め方もあります。
写真は自分たちで撮っても大丈夫ですか?
既存の写真を使うこと自体は問題ありません。ただ、客室やお風呂は光の入り方や角度で印象がかなり変わるため、宿泊施設のホームページでは、料理写真や客室写真だけでもプロに依頼するケースが多いです。予算に応じて、どこまでプロに任せるかを相談してみるとよいと思います。
まとめ|「この宿に泊まったら、どんな時間を過ごせる?」が伝わるホームページに
ホテルや旅館のホームページでは、客室や料金を紹介するだけでなく、その宿でどんな時間を過ごせるのかを伝えることも大切です。どんな料理を食べられるのか。どんなお風呂に入れるのか。周辺ではどんな観光ができるのか。そして、「ここに泊まってみたい」と思ったときに、迷わず予約できるのか。
予約システムひとつをとっても、WordPressのプラグイン、無料・有料の外部サービス、独自開発など、いくつかの方法があります。どれが正解というよりも、その宿の規模や予約の方法、必要な機能によって、ちょうどいい仕組みは変わってきます。
ホームページも同じです。たくさんの情報を載せることが目的ではなく、その宿を選ぶ人にとって必要な情報が、必要な場所にあること。必要なものを残して、必要のないものは少し手放す。それでも伝えたいことがたくさんあるなら、1ページに詰め込むのではなく、ページを分けて整理する。ホテル・旅館のホームページづくりも、そんなところから考えてみると、その宿らしい形が見えてくるかもしれません。

